カテゴリ:建築( 117 )

六本木ヒルズのクリスマスツリー を訪れて

設計:大野友資 / DOMINO ARCHITECTS
2018年12月の期間限定の六本木ヒルズのクリスマスツリー。


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思ってた以上に多くの人が自由にくつろぎ、設計者の思い描いていた使われ方が実現されているようだった。


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一度寝たら気持ち良すぎて暫く抜け出せない!

蝋燭のように揺れる弱いLED光に優しい音楽。

座ると聞こえてくるくらいの音楽が適度にあることで周りの喧騒が気にならなくなりゆっくり休めることも一役かっていた。

また、ふだん寝ちゃいけない場所だから余計にいい。


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モニュメント?がいくつか置いてあり、素材が気になるのか沢山の人にプニプニ触られていた。
衝突防止なのか、このバーは無くして欲しかった。

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壁にもレリーフ?があり、少し正月っぽい雰囲気があった。

僕はこの編み編みを見て水引きを彷彿とさせた。西洋から来たクリスマスを和で表現したようで面白い。ただツリーを持ってくるのではなく、どう翻訳するか。
ただのクリスマスツリーから人が休む椅子&クッションとして機能を持たせ、ただのモニュメントではなく行為が生まれる場所にまで持っていくデザイン力が秀逸だ。

伸縮性があり手触りがいい布。クッションの適切な弾力性。これを支えるに最適な鉄骨部分の計画。音響と照明の設計。
ツリーだけど建築設計の色々な要素がギュッと詰まったプロジェクトだった。

by tokup_nao | 2018-12-09 07:17 | 建築 | Trackback | Comments(0)

渋谷ストリーム を訪れて

設計:株式会社東急設計コンサルタント


デザインアーキテクツ:小嶋一浩+赤松佳珠子 /シーラカンスアンドアソシエイツ(CAt)


オフィスロビー アーキテクト:SUPPOSE DESIGN OFFICE


照明デザイン:岡安泉照明設計事務所サイン:GK設計


ブランドアイデンティティ:東急エージェンシー/TAKT PROJECT Inc.


環境演出(空間デザイン・映像・音響):東急エージェンシー/TAKT PROJECT Inc.WOW Inc.evala


できたものが、自ずとよいチームワークだったことを語ってくれます。


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ペデストリアンデッキレベルの道を建物内に貫通させることで、風が流れ店舗群が生き生きしていた。このポーラス(孔)がとてもいい効果を与えています。

奥に行けば行くほどスケールダウンしていく感じも心地よい。

遠くには首都高が見える。新たな渋谷の回遊性が完成されている!



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床には線路が!
記憶の継承。過去への敬意。
エスカレーターが目立つ色のため、わかりやすく動きやすい。


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大きい階段は階段ではなくランドスケープとなり、とても登りやすくなる。これはマウントフジアーキテクツスタジオの建築でもよく感じられた。


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東横線渋谷駅の生き残り。この大きなスペースは考えようによっていろいろ出来そう。



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渋谷ではこの地下からペデストリアンデッキを繋ぐアーバンコアが鍵となる!


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川側が表!
今まで死んでいた川の風景に命が吹き込まれた!

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道路側が裏!という扱い。
搬入や警備員入口はこちらに。

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このちょっとひらけた場所が重要よね。

しかし、巨大建築をよくここまで持って行った!すごい!

にしても、小嶋さんの竣工後の話を聞きたかった。残念だ。
小嶋さんの建築は強いメッセージとして色々な人に伝わっていくでしょう!
拍手!!👏👏👏

by tokup_nao | 2018-12-08 11:40 | 建築 | Trackback | Comments(0)

名古屋の建築 ノリタケの森〜LT城西〜トナリノ

名古屋出張のついでに、市内の建物も少しだけ見てきました。


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まずは、大成が改修を行ったノリタケの森。

本棟は綺麗に改修されていて、もっと遊んでてもいいような落ち着きようでした。

ただ、外構のこの煉瓦の塊の塀が見てると何だかソワソワする異様な雰囲気を放っていました。結構長いぞこの塀。




次にそこから歩いて、成瀬・猪熊さんのLT城西へ。閑静な住宅街に置かれたシンプルなボックス形状に関わらず凄く周りと馴染んでいました。

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役物を使わず綺麗に収まるフレキシブルボードのコーナー部。厚みが薄いので軽快でした。
この部分だけで建物の印象がかなり変わりそうです。

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裏には諸江一紀+鈴木崇真さんによるLT城西2が。周りの住宅スケールに溶け込むようなファサード。

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対照的な2つのシェアハウスが裏では仲良く共用の庭を形成してて微笑ましかった。


続いてまたそこからせっせと歩き、マウントフジ アーキテクツスタジオのトナリノへ。

Setoと同じくここでも大きな階段。初期の屋上のランドスケープから一貫した姿勢。きっとマラパルテ邸好きだろうな。マウントフジと言うくらいだから、気持ちよく歩かせてくれる。階段前に舞台置いていい客席になりそう。PCフェンスのような手すりが合う。

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短辺のみルーバー。こういうオリジナルなコーナーの収まりが一個あるだけで建物を見させるものにする。
LT城西に続き、コーナーの細部、重要ですね。

by tokup_nao | 2018-12-01 13:50 | 建築 | Trackback | Comments(0)

みなと交流センターを訪れて(付属建築物がおもしろくなる訳)

設計:原広司
竣工:2016年

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原さん自身も話していたように、船を浮かせた形で直喩的な表現となっています。
若い建築家ではあまり見ない手法です。

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ピロティは天井が高く開放的でした。
天井の模様が魚の骨に見えてしまう。たぶんそういうことだろう。


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一階のホール。柱が並んでいて何か象徴的な雰囲気がある空間だった。

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ここにも魚の骨?が。この日は園児達の見学で賑わっていた。
壁がRになっていたり、異素材がぶつかったり、とても複雑なものが綺麗に組み合わさっています。


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一階ピロティに一部吹き抜けがあり、天まで続いていた。梅田スカイビルを彷彿させる丸い吹き抜け。
正円って強い形だなと思わせます。
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すぐ近くにまたしても付属建築物。笑
公衆トイレと駐輪場を発見!
ゆだれがじゅるり。

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トイレは上下に構造が分かれていて、半分RCで半分木造という構成。

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木造部分がそれぞれの空間を繋げているので、音と光がどこにいても均一に拡散されます。

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この連立した木造の柱とトップライトがとても象徴的な空間を演出しています。
ここは本当にトイレ?

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裏に回ると設備用の階段。外壁からキャンチレバーで綺麗に出ていて、とても登りやすい緩い階段だ。
一段目の取り合いが少し苦労しているような形跡があります。

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続いてこちらも、付属建築物の駐輪場。

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外壁材の寸法を小さくして、ピッチを変えずに光窓を設置。

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こちれも、トップライトがありとても綺麗。
テンション材が鉄で軽快な感じもあります。このテンション材が木だったら一気にやぼったい雰囲気になってしまうね・・。

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大きな公共建築物にある付属建築物の特徴として、それなりの予算をかけられ良い建築になる条件ができやすいことがある。
恐らく、この公衆トイレと駐輪場だけの公共案件だと建設費はもっと渋かったと思う。
本体と一緒にすることで、全体で予算を調整することができ、
また、普段小さい建築をやっていなくてやりたいと思っている設計者が担当することになり、
楽しくてそれなりに熱が入り、その周辺の小さな建築がいいものになりやすい。
そして、その事務所の若手所員が担当する確率が高い為デザインもフレッシュなものになりやすいと思う。

そういえば、僕が久米のときに始めて担当した建築も本棟に付属する体育器具庫だった。

設計者の想いの本質が、実はこの付属建築物の方がわかりやすく出ていることがあります!
それを知っていれば、建築がもっと僕らに面白く語りかけてくれると思います!

付属建築物に幸あれ!!

by tokup_nao | 2018-11-11 12:33 | 建築 | Trackback | Comments(0)

大三島の伊東豊雄ミュージアムを訪れて

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ところミュージアム大三島
伊東豊雄ミュージアム
今治市岩田健母と子のミュージアム

この3つをレンタカーで見てきました。
3館チケットが1000円で割とリーズナブル。


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ところミュージアム大三島
設計:山本英明・DEN住宅研究所

シルバーハットと似たような屋根がふわりとのっていました。
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このトンがった建物はトイレ。屋根と屋根のあの隙間にゴミが溜まりそうとか考えたら作れない。
もっと細かくなればジョンヘアダックの『自殺者の家』になりそうだ。
少し想像を膨らませるかたちです。

ただ、このトイレ棟と本棟の形の関係性はよくわからなかった。何か意味があるのでしょうけど。

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回廊がにも曲面屋根が軽やかに続く。

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シルバーハットは鉄骨造ですが、こちらは木造です。接合部がとても綺麗。職人技!

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伊東豊雄ミュージアム。
主に島のことや伊東さんの業績を紹介していました。

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元々はこのオスロでのコンペからあのかたちが出ているようでした。
なので、ミュージアム自体はその一部が切り取られたような空間で、オスロのようなもっと続いた空間を見てみたいと思わせました。
この蜂の巣みたいな空間がモコモコと遠くまで、それでいて何処まで続いてるからわからないときにこの空間の面白さが出てくるように感じます。

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移築されたシルバーハット。
1986年に日本建築学会賞を受賞した伊東さんが45歳くらいの自邸です。1989年の著書『風の変様体』の言葉がこの自邸によってさらに重く実態の伴ったように感じます。

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元々この場所の為に建てられたかのようなフィット感。屋根薄い!!


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屋根を支えるRC柱が床スラブからキャンチレバーのようにあることで、屋根の軽さぐんと強調されています。素材と構法の対比が空間に生きているのがよくわかります。

このシルバーハットを詳しく知りたい方は、東西アスファルトの記事がオススメです。
これを読むと、伊東さんが用意したテントを娘が暑くて使えなかったり、やっぱりここに部屋がほしいとか、住みながら考えアップデートしていった経緯が伺えます。

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ここには、先ほどのオスロのような各プロジェクトの模型や、伊東さんの実施図面が沢山ありました。あの物件のここのディテールがどうなってるか知りたい!というときはここの資料でわかるかも。

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敷地内にあった倉庫。可愛い家型。
最近付属建築物ばかり見てしまう。笑


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今治市岩田健母と子のミュージアムの管理棟。
かたちは微妙な感じですが、屋根がとても薄いです。
ミュージアム内は撮影禁止でした。
2人で行くと、相手の足音や話し声が壁に反射され、音がぐるっと回って面白い体験ができます。

見に行く方は車でないと大変。レンタカーお勧めします。とても歩ける距離ではない。

by tokup_nao | 2018-11-11 10:42 | 建築 | Trackback | Comments(0)

フランク・ゲーリーから田根剛へ

2015年に 21_21design sight で田根剛がディレクターを務めるゲーリー展が行われたのもまだ記憶に新しい中、今年2018年の田根剛のギャラリー間での展示が行われた。これはなんと、オペラシティでの展示の同時開催で、前例のない大きな展示になった。
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OPENERSより抜粋

田根さんの展示を見て強く思ったのは、抽象的な物体の模型があのゲーリー展での模型を彷彿させた。また、会場構成も担当してたことで見せ方も含め色々と重なったのかもしれない。
ゲーリー展では「I have an idea」と大きく出ているように、アイデアでプロジェクトをグイグイと引っ張って行く力強さみたいなものを感じさせ、それが田根さんにも確かに大きく伝染し影響を与えていると思わせた。

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今回の展示に合わせて出版された本からは、田根さんの生い立ちから来る建築の考えが赤裸々に語られており、そこにゲーリー展からの影響を聞かれ答えている。

アイデア」の力を学びました。そのアイデアとは、ちょっと思いついて「こういったデザインになりました」という表面的なものではなく、もっと具体的で力強く、世界を変える信念につながったものなんです。中略ーデザインがいいとか悪いとかではなく、アイデアの力が強いかどうかが試されている世界なんだ、ということを学びました。p,69抜粋

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等々力の住宅では、湿度の高い1階と乾いた2・3階のアイデアが瓶に入った植物で示されていた。僕はこれを見て、アイデアに具体的な「かたち」を与えることによって、アイデアの強さが倍増したような印象を受けました。これなら、建築を引っ張れる!と思えてきます。


そして、今回の展示ではアイデアの強さを『記憶』から引き出す田根さんのキャラクターが出てきます。
『アーキオロジー(考古学)からアーキテクチャー(建築)へ』という台が示すように、ヨーロッパの環境で建築設計を学ばれた田根さんが記憶を頼りに設計をするのは、とても必然的な結果のように感じられます。

「建築の良さは長く残っていくこと」とはっきり仰っているのが印象深く、つまりはこういうこと↓でした。


昔は場所の記憶にこだわり、過去にあったものが未来をつくることができると思っていたのですが、そうではなく、場所がもっている記憶はそれにちゃんと力を与えた時に未来を生み出す原動力になるのだ、と。p.91 抜粋


エストニア国立博物館でも負の記憶となっていた軍事滑走路をあえて未来に繋ぐデザインとした。これは実務で提案するとなると、想像より遥かに勇気がいることだと思う。だからこそ、その勇気には徹底したリサーチやそのアイデアを守る価値感が必要とされたいたのだろう。本人の中でそのアイデアに対する揺るがない価値基準があって初めて、この大きなプロジェクトを最後まで推し進めることができたのだと思う。
今までのプロジェクトの実体験からその価値は養われ紡ぎ出され、それらの言葉は重たくとても説得力のある言葉だった。

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実際に展示では、事務所のリサーチに立ち会ったかのような資料を体験できる。強いアイデアの素材たちだ。


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こんな面白いオブジェはどこにあるんでしょ。何だか運気も上がりそうだ。


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抽象から具象まで、様々なリサーチやスタディを行ったり来たりしながら、ジリジリと建築へとかたちにしていく。
考古学者でありながら、新しいものをつくる創作者。研究ハイと創作ハイが同時に来そうだ。

僕自身も「佐倉の住宅」の説明で記憶という言葉を使っていたけど、こんな壮大じゃなくもっと個人的な記憶だった。
強靭なアイデアでぐいぐい引っ張るわけでなく、ふわっとしたスケッチのイメージを追いかけて具象にジャンプしてつくっていました。

勉強になりました!
また打ちのめされそうだ。


tokudaction
徳田直之

by tokup_nao | 2018-11-10 13:00 | 建築 | Trackback | Comments(0)

THE PLUS にインタビュー掲載

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ロンドンのTHE PLUS「佐倉の住宅」のインタビューが掲載されました。

このサイトは芸術全般を取り上げていて、どの記事もインタビューをしています。なので更新頻度は多くはないですが、対話によって個々の作品の本質に迫ろうとする姿勢が面白いです。
様々な国の作者の温度に触れることができるので、是非見てみて下さい!

Interview of "House in Sakura" was posted in THE PLUS in London.
This site covers the whole art. All articles are posted on interviews. So the update frequency is not much, It is interesting to approach the essence of individual works by dialogue.
You can touch the temperature of the author from various countries. Please check it out !


ここにある写真がはどれも印象的なものが多いので、写真が好きな人はおもしろいかも。

あと、建築的な写真も多い気がします。


このポーランドのクラクフを拠点に活動しているパベル・フランクの写真もその一つです。

孤独な写真ですが、写真家自身は実際孤独ではないと話しています。

http://www.thepluspaper.com/2016/11/13/not-loneliness-but-solitude/

彼のサイトです。

https://pawelfranikphoto.com/

人間の儚さが美しく感じます。しみじみ見入ってしまう。

https://pawelfranikphoto.com/single


世界中を芸術というフィルターを通した視点で旅するTHE PLUS。

オススメです。


by tokup_nao | 2018-11-01 11:30 | 建築 | Trackback | Comments(0)

スキーマの『ブルーボトルコーヒー清澄白河店』を訪れて

設計:スキーマ建築計画
竣工:2014年

打合せが終わり、たまたま近くだったので行ってきました。
やっとこれた!

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ガラス越しに後ろの荷置場のようなところまで見えるので、道路からも奥行きがとても感じるつくりです。
コーヒーを飲んでるお客さんの高さが3つくらいに分かれていて、奥に行くほど少し高くなっていく。奥行きのある分の配慮なのかも。
天井もとても高くて気持ちいい。
広さも高さも存分に生かされています。
また、凹凸のある鉄や窓はグレーに、プレーンなALC壁やキッチンの一部天井は白に。基礎立ち上がりはそのまま。家具やサインは木。お客さんが1番手に触れ目につく場所に大理石の天板。それぞれの役割ごとに色を使い分けて、とても丁寧な改修です。複雑なことはしていません。
ただ、椅子の高さに比べて机が少し高いような気はしました。飲食スペースを全体的に高くするような意識が全体的にあるのかな。そのことによって、スタイリッシュな雰囲気になっているような気がしました。

大きなルールの中にそれを少しはみ出すところを設けることで、統制がとれつつ堅苦しくならないように思います。

一流の建築家ほど、肩の力をどこで抜くのかわきまえているのだろうか。

また、音量がとても丁度よくスタッフも見ていて気持ちがいい。ブルーボトルコーヒーという会社のスピリットがピタッ!と場所と合ってる感じがよかった。
これは何度も長坂さんに頼んでしまう気持ちがわかるような。

会社とデザイナーの波長がとても良くあった例と言えそうですね。いい仕事だ。羨ましい。

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この時はクッキーとブレンドも注文。ご馳走様でした。

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by tokup_nao | 2018-10-29 15:54 | 建築 | Trackback | Comments(0)

妹島和世の『葉山の住宅』を訪れて

設計:妹島和世建築設計事務所
施工:平成建設
竣工:2010年
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オーナーの知人に招待を頂き、お邪魔させて頂きました。
この規模の住宅としては長い4年の歳月が掛かり、今はなき東京都練馬区の平成建設の施工による神奈川県の葉山にある住宅です。
竣工されてからは、度々SANAAの所員を招いた会が開かれ、オーナーともいい関係でSANAAとしても所員に体験してほしい良い建築になったことがわかります。
それくらい、この住宅には妹島さんの思い入れと理想の空間・思想が詰まっているのだと思います。

外から見ると2階か3階かわからない、3mガラス、3m鉄板、3mガラスのとてもシンプルなファサードです。それを二分するかのように鉄板の中間にスラブがあり、四隅に柱があるだけの構成。

なので中に入ると、予期せぬスケールの大きな気積に包まれます。
立っているとガラス越しに道路の行きゆく人が見え、座っていると外にある壁が視線を遮断し、開けているけど周りから遮断された居心地のいい場所であることがわかります。そして、タイルの床が、レベル差無しに内外に敷かれているので部屋が外まで広がったような感覚になります。
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内外を曖昧にする、内側の領域を外側まで拡張するなど、学生が話す(自分もその一人でした)魔法のような建築の言葉がありますが、ここにはそれが本当に起きていることがびっくりしました。そこにいると、隣の部屋に行く感覚でうっかり靴下のまま外に出てしまう。一階の部屋の行為や意識が敷地の外いっぱいに出ており、内外の境界がとても弱くなっています。
これは外部のタイル敷の部分が全部縁側なんじゃないかと思えるもので、すんなり受け入れているように感じました。
また、この外の外壁の高さがとても絶妙な高さで、現場で妹島さんが最後のタイル一個分高くするかどうするかすごく悩まれたそうです。それくらい、この外の壁には大きな意味があり内部は意外と見えません。

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また、この壁は写真からもわかるようにとてつもなく薄い。こんな薄いタイルの壁がスクッと立っていて、素材感は残したいけど重さを極限まで消したい思いが伝わります。どうやって自立してるのか不思議ですが、これは9mmの鉄板に弾性の接着剤でタイルを貼り、湾曲させる事で構造的に自立させています。熱による鉄板の伸縮があるので目地は詰めていません。当時では珍しい施工でしたが、8年経った今でもタイルが一枚も落ちていません。
もう一方の敷地境界線に立つ壁は、何とこちらは厚さ50ミリくらいのブロックを重ねています。もちろん鉄筋も入っています。他にもコンクリートにタイルを貼っている壁もあり、同じような見え方をしているタイル壁ですが、3種類の異なる構法を使い分けています。
床の目地は3ミリ前後で、これも通常のタイルの目地幅と比べるとビックリの薄さです。それも、1つ1つのタイル幅を小さくしているので、目地が通常幅だと合わないし、目地が見えないことでフローリングのような優しさが出ているように感じます。色からしても、コンクリートに近いことから素材を自然に見せようとしているかもしれません。タイルの目地が変わるだけで今までのタイルの印象が一変しています。

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もちろんですが、このタイルは1/1のスタイロフォーム模型で何回もスタディーしながら適正な大きさを決めています。色も何個も実際につくってもらい理想の色に近づけ確認します。
青木淳による武蔵野の青々荘では、中央の共用部のタイルの目地に色が付いており、図と地が反転したような操作がされています。これもただならぬタイルへのこだわりが感じられます。
西沢大良の芝浦まちづくりセンターでは、ブロックと目地の精度が怖いくらいです。これは、所員が一日中付きっ切りで職人の隣で精度の監理をしていたと聞きます。
それぞれの建築家が自分のやりたいことをディテールに込めて表現しています。
話が逸れてしまいました。

その妹島さんのタイルは内外を同じものを使用しており、内外の目地を合わせ、階段に対してもその目地が合わせてありました。とても綺麗。

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その階段から地下に下りると、そこは階段から差し込む光によってすごく明るく、地下の暗いイメージが全くありませんでした。グラウンドピアノは階段の手すりを設置する前に入れたとのことです。
1階のガラスの効果が地下の空間にも存分に発揮されています。

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1階から2階の階段も階高があるので長く、一見登るのが大変そうに感じられますが、登ってみると非常に登りやすくとても気持ちのいい階段でした。こんなに軽快なのに全く揺れない。構造的にもとてもバランスの取れた名作の階段だということがわかります。この階段もかなりの量のスタディと検証の賜物だと思います。手すりの曲がり具合も絶妙でした。

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その階段は同じ位置に地下から屋上まで連続しており、そのまま気持ちよく空に続きます。屋上を開ければ天窓になり、地下には光を落とすヴォイドとなり、この階段があることで上下階がより明るくなる重要な働きをしています。
地下から空まで連続する階段は何か大きな哲学さえも感じさせます。この階段は強く美しく、この住宅の大事な背骨のようなものに思えます。

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屋上に上る階段から2階の一部を見下ろすと、夕日がカーテン越しに当たっていました。
それを見ただけで、ドキっとしてしまう。
どこを切り取っても絵になる不思議な美しさがこの住宅にはあります。
カーテンも全部同じに見えますが、よく見るとそれぞれの場所で厚みや素材感を微妙に変えています。

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このジャスパーモリソンのグローボールの高さも妹島さんが現地で高さを決定し、カーペットの柄もタイルの色に合わせて慎重に選んでいます。

よくよく聞くとすべてが妹島さんのチューニングよって環境がコントロールされた世界でした。それでいて、そこには建築家が厳密に選んだ堅苦しさみたいなものが感じられなく、自然の気持ちよさが漂っています。
これは僕の中で大きな発見であり、一つの理想かもしれません。
スイスのロレックスラーニングセンターにも訪れたときに、建築の個性は強いもののそこに訪れる人はみんな思いおもいの場所を発見して、原っぱのように建築を使い倒していて自然の自由があり、その点ではやっぱり同じ哲学なんだなぁとしみじみ思うのです。

以前、篠原一男の代々木上原の住宅を訪れた際には建築家の力強さが全面に出たものでした。そこには衝突から生まれる、生きる強さがありました。篠原さんの住宅は、住宅ではなく「住処」とでも呼びたくなる野生的なものがあります。

施主に私にはこういう哲学がありますと話しながらつくることはないと思いますが、どんな哲学の元でつくるかはやはりいいものをつくるためには必要だと思います。

妹島さんの住宅には現代をポジティブに捉え前進していく力強さが感じられ、篠原さんの住宅には時代を批評する力強さを感じます。どちらの名作にも言えることが、建築家が言わずとも空間が自ずと語りかけてくることのような気がします。

二川幸夫も生前にここに訪れたそうです。そのときどんな感想を語ったのかとても気になりますね。
大きな時代の尺度でこれをどう見られたのか。

最後に、この住宅で使われているタイルは株式会社スカラのもので、今回の訪問でも多くの話を伺うことができ感謝です。
設計の際は、建築家のわがままを親身になって聞いてくれると思います。
素材感もとても気持ちのいいタイルで超オススメです。
この機会に使ってみては?

また、このような機会を与えて下さったオーナー様、関係者の皆様、本当にありがとうございました!
素敵な空間で美味しい食事。僕にとってこれ以上の贅沢は思いつきません。

徳田直之







by tokup_nao | 2018-10-27 18:11 | 建築 | Trackback | Comments(0)

佐倉の住宅 アーキデイリーに掲載!

佐倉の住宅がアーキデイリーに掲載頂きました。
学生のときからずっといつも見ていたサイトなのでとても嬉しいです。
ありがとうございます!

Our project“House in Sakura”was published in ArchDaily.
Please have a look !



by tokup_nao | 2018-10-20 23:08 | 建築 | Trackback | Comments(0)


tokup.nao@gmail.com


by 徳田直之 (Naoyuki Tokuda)

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