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カテゴリ:建築( 122 )

バーチャル建築ツアーその1 ~西洋と東洋の狭間、バクーを訪れて~

1991年にソビエト連邦から独立したまだ27歳の若い国で、国土は日本の1/4くらいで小さな国ではありますが、カスピ海のオイルマネーで豊かになったアゼルバイジャン。
実は、この国の主要援助国第一位はなんと日本なのです。
経済的に日本と結びつきの強い国。とても親日のように思います。

そんなアゼルバイジャンの首都バクーを、お金もない!時間もない!そんなあなたのためにGooglemapで訪れてみましょう! その1と書いたけど、この企画続くかな。。。笑

まずは、一番注目の近代建築。ザハ・ハディッドによって建てられたヘイダル・アリエフ・センター。2012年に建てられました。アゼルバイジャンの宗教はイスラム教ですが、僕にはこのカーブがイスラムの女性が頭に巻く布のヘジャブに見えます。
ザハはイラク・バグダード出身ということもあり、自身もイスラム教であったために、この地への思い入れは強かったのではないでしょうか。

ストリートビューでランドスケープがわかりますね。日本だと木を生やしたくなるけど、ここではあえて高木が全くないのです。あるのは色とりどりのデンデンムシとゆるやかな階段と広大な芝生のみ。遠くにセンターが常に見えているので、歩いてて期待感が膨らみます。

Virtual architecture tour part 1 ~Visit Baku between Western Europe and Asia~

Azerbaijan, a 27-year-old young country independent of the Soviet Union in 1991, is a small country with a quarter of Japan, but is enriched with Caspian oil money.
In fact, Japan is the major donor country in this country.
A country that has strong economic ties with Japan. There is a great relationship here.

Let's visit in such Azerbaijan's capital city Baku with Googlemap for you.

First of all, the most notable modern architecture. Heydar Aliyev Center built by Zaha Hadid. It was built in 2012. Azerbaijan's religion is Islam, but to me this curve looks like a hejab of cloth wrapped around an Islamic woman.
Because Zaha was from Baghdad, Iraq, and he himself was also Islam, he may have been strongly in love with this place.

You can see the landscape in Street View. In Japan, I would like to make a tree, but here there is no Takagi at all. There is only a colorful snails, gentle stairs and a vast lawn. The center buildins is always visible in the distance, so you can walk and swell your expectations.
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中は流れ星のような照明に、やはりカーブを描く壁と天井。
イワンバーンの写真をみると全体像がよくわかります。

Inside is a meteor-like illumination, again with curved walls and ceilings.
You can see the whole picture well if you look at the pictures of Iwan Baan.
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次は、バクーを訪れたらここがメインスポットだろう、世界遺産に登録されている城壁都市バクー、シルヴァンシャー宮殿、及び乙女の塔です。
MaidenTowerは沿岸部にあり、旧市街からバクの街を一望できます。では、一緒に登って行ってみましょう。

Next is the main spot when visiting Baku. It is the walled city Baku, the Sylvanshire Palace, and the Maiden Tower, which are listed as World Heritage Sites.
MaidenTower is located on the coast, with a view of the city from the old town. Let's climb together.
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まだ高層ビルが全然ないですね。唯一の遠くに見えるカーブした高層ビルはBakuFlameTowersです。
HOK(ヘルムース・オバタ・カッサバウム)によって建てられました。アメリカの組織設計事務所で世界で4番目に大きな建築設計事務所です。アイコニックで一度みたら忘れない形をしています。夜は正に炎のように光るみたいです。

There are no high-rise buildings yet. The only distantly visible curved skyscraper is BakuFlameTowers.
It was built by HOK (Helmus, Obata Cassavaum). It is the fourth largest architectural design office in the world as an organizational design office in the United States. It has a shape that you will never forget if you look at it once with an iconic. The night seems to glow right like a flame by lighting.
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次は、空港のHeydar Aliyev International Airport Bakuを見てみましょう。
ストリートビューで中に入っていくと、玉ねぎみたいなものが確認できると思います。
いったいこれは何だろう。笑
Autobanというイスタンブールを拠点とした40人規模の事務所がインテリアをデザインし、建築はARUPによるものです。
このAutobanは2003年に設立した事務所で、この空港ができたのが2014年!
よくぞそんな若い事務所に国家の顔である空港を任した!
若い人にチャンスをつくるアゼルバイジャンの強かさを感じます。
僕もアゼルバイジャンのコンペとか出してみたい。笑

Next, take a look at Heydar Aliyev International Airport Baku at the airport.
If you go inside with Street View, you can see something like onions.
What is this? Lol
A 40-person office based in Istanbul called Autoban designs the interior, and the architecture is by ARUP.
This Autoban was established in 2003, and this airport was created in 2014!
I assigned an airport that is the face of the nation to such a young office!
I feel the strength of Azerbaijan that creates opportunities for young people.
I also want to put out a competition of Azerbaijan. Lol
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でも、本当にザハはあのカーブをヘジャブのアナロジーのように扱ったのかな・・・?とまだもやもやしながら、バクーの街を(Googlemap上で)歩いていると・・・、とんでもないものを見つけた!

なんだ!あの形は!

But, does Zaha really treat that curve like Hijabs analogy? As I was walking along the city of Baku (on GoogleMap), I found a great building!

what! That shape is!

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これは1960年代のソビエト時代のモダニズムによってつくられたカフェ。未だに補修されつつ当初の用途を継続して営業しているではありませんか!かっこいーー!
この海沿いの公園は賑わっているようで歩くべきですね。
下記カフェの建築家です。英語ベースで少し調べたけど、すぐに情報は出てこなかったです・・。
Vadim Shulgin, R. Sharifov | Mirvari cafe | Baku, Azerbaijan | 1962

This is a cafe created by Soviet modernism in the 1960s. It is still being repaired, and the original application is continued and operated! Cool!
The park by the sea is full of people. You should walk.
もちろん、ザハはバクーを訪れる前からこの建物の存在を知っていたと思うし、この今も変わらぬ美しい曲線美に魅了されたのではないかと思う。僕の中でのザハの元ネタはここにもあると勝手に確信します。
もやもやが少しすっきりしました。
この造形、よく見てみると、シドニーのあれに似てません?

A shape that does not change from old days!
Of course, I think Zaha knew the existence of this building before visiting Baku. I think that she was fascinated by the curvaceous beauty that has never changed. I am convinced only within my thinking that the idea of ​​Zaha is also here.
The mist in me was a little clearer.
If you look closely at this shape, do you look like Sydney's?

デンマークのコペンハーゲン出身のヨーン・ウッツォンのシドニーオペラハウスのコンペ案です。きっと彼はソビエトモダニズムも好きだろうなーと思うのです。もしくは、シドニーオペラハウスの審査員だったエーロ・サーリネンに対して、戦略的に、サーリネンだったら曲線好きでしょ!ってな具合にドローイングだけ出しちゃったことも考えられなくもないです。笑
ウッツォンにしてもサーリネンにしても、このカーブへの愛着はソビエトモダニズム経由で隣国の北欧に流れていったのでしょうか。ソビエトモダニズムのカーブはどこから来たのでしょうか。ザハは初期のアンビルドの頃からロシアアヴァンギャルドの影響を強く受けているし・・・、掘り下げていくと色々出てきて終われないので今回はここまで!

It is the Sydney Opera House of Jon Uzzon from Copenhagen, Denmark. I think he also likes Soviet modernism. Or, strategically, against Aero Salinen, who was a judge of the Sydney Opera House,

There is a possibility that only the drawing will be issued in accordance with the idea that the sirlinen loves curves. Lol
Whether it was Utzon or Saarinen, did attachment to this curve flow to the northern European countries of the neighboring countries via Soviet modernism? Where did the curve of Soviet modernism come from? Zaha has been strongly influenced by Russian Avant Garde since the early days of unbuild. We come out in various ways as we delve into our ideas. I will not be able to finish writing, so I will finish it this time!

【バクー建築ツアーのまとめ】
5世紀頃からあったとされるバクーの町がこうして新しいものと古いもの、攻守とも言える二つを大事にしながら景観をうまくコントロールしながら発展していくのが非常におもしろい。
今後も注目していきたい魅力的な街です。

【Summary of Baku Architecture Tour】
It is very interesting that the town of Baku, which is said to have existed since the 5th century, develops while controlling the landscape well while taking care of the new and old ones and the two that can be called offensive and defensive.
It is an attractive city that I want to focus on in the future.



この動画に出てくるShakhPlov(3:00)という米をパンで包んだような食べ物がとっても美味しそう!
日本ではまず食べられないだろう。いつか食べてみたい・・・!

A food like bread wrapped rice called ShakhPlov (3:00) in this video looks very delicious!
I can not eat at first in Japan. I want to eat someday ...!

↓今回の紹介した場所一覧です。
Here is a list of places I introduced.
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by tokup_nao | 2019-03-12 00:00 | 建築 | Trackback | Comments(0)

【投票のお願い】Building of the Year 2019

ArchidailyのBuilding of the Year 2019に「佐倉の住宅」がノミネートされました!

2018年にArchidailyで取り上げた4000以上のプロジェクトの中からHouse部門で取り上げられています。ただ、住宅部門は数が多く激戦区のようです。。

佐倉の住宅は日本の家を改修する中でこそ見つけ出せる空間に着目した住宅です。それが誰もが共有しえる日常の延長にあれ!という思いでつくりました。なので、ノミネートされた中では一番地味なものになっているかもしれません。笑

あと二週間、3月5日までの投票で各部門のWinnerを決めるようです。ぜひ下記より「House in Sakura」に投票お願いします!!


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by tokup_nao | 2019-02-20 07:51 | 建築 | Trackback | Comments(0)

銀木犀〈柏〉を訪れて

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サービス付高齢者住宅の銀木犀〈柏〉を見学してきました。
建物は鍵がなく自由に出入りできます。閉じ込めるのではなく、居たくなる施設。ここで死にたい!と言う方が出てくるほど、中の居心地がとても良かった。

エントランスではクタクタに良くなったコルビジェのLC2が迎えてくれて、ルイスポールセンのペンダント照明や家具職人がここに合わせて作られた椅子など、至るとこに今までのイメージの高齢者用住宅を払拭する良い設えが散りばめられていた。
小さなことだけど、部屋のネームプレートや郵便受け、スリッパなどの小物たちも愛らしくとても気を配られていて、ちょっとお洒落なホテルのような気の配られようだった。運営者に拍手したい!

ハード面だけでなくソフト面でも改革的で、併設された駄菓子屋には子供たちが出入りし、事務では余裕のある入居者が事務仕事をしていたり、ラウンジや食堂も地域の人が出入り自由。
他の施設では入居者が駄菓子屋の店番をして子供が会計の計算していることもあるらしい。素晴らしい。
そしてなんと、ペットも可。誰でもいつ身体の自由が効かなくなるかわからない。一人暮らしの高齢者が飼っているワンちゃんと一緒に直ぐ入居したいなんてケースは容易に想像がつく。それができる限られた場所ではないだろうか。

また、入居費0円で、しかも家賃もそこまで高くないのもとても良心的だ。高齢者住宅は調べてみるとほんと千差万別で、入居費300万から9000万のところまでバラバラだ。
ただ、家が買えるくらいの入居費を払ってみたものの必ずしもその方にその住宅が合うかはわからない。私個人としては地域の子供や住人と緩やかに繋がりながら、周りと関わりをもてて行ける開かれた場所が安心できるし、その方が幸せではないかと思う。
なので、部屋に風呂があるより共同の風呂がいいと思うし、施設そのものに厳重なセキュリティーは無い方がいいと思ってしまう。

終末期については施設内でみとれるので、文字通りここで死にたい方はその希望が叶えられる。私が見学中にも医師が見回りに来ていて、家族もとても安心できそう。

入居には介護認定が条件ではあるが、それ以外の大きな障害はなさそうだ。
介護の現場で悲しいニュースがある一方で(それはとても稀なケースではあろうが)、このような施設が地域と共に頑張っている。
これが日本のスタンダードになってほしいと強く思わせてくれた。

北欧の介護高齢者施設はとても進んでいそうで、その精神もここにも宿っている感じもした。これからの高齢化に伴い、日本での良いモデルケースになりそうだ。

設計施工は株式会社シルバーウッド。
施設の方に会社の今後の展開も聞かせて頂いた。まだまだ面白そうなことになりそうで、期待大!

by tokup_nao | 2019-01-22 17:23 | 建築 | Trackback | Comments(0)

六本木ヒルズのクリスマスツリー を訪れて

設計:大野友資 / DOMINO ARCHITECTS
2018年12月の期間限定の六本木ヒルズのクリスマスツリー。


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思ってた以上に多くの人が自由にくつろぎ、設計者の思い描いていた使われ方が実現されているようだった。


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一度寝たら気持ち良すぎて暫く抜け出せない!

蝋燭のように揺れる弱いLED光に優しい音楽。

座ると聞こえてくるくらいの音楽が適度にあることで周りの喧騒が気にならなくなりゆっくり休めることも一役かっていた。

また、ふだん寝ちゃいけない場所だから余計にいい。


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モニュメント?がいくつか置いてあり、素材が気になるのか沢山の人にプニプニ触られていた。
衝突防止なのか、このバーは無くして欲しかった。

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壁にもレリーフ?があり、少し正月っぽい雰囲気があった。

僕はこの編み編みを見て水引きを彷彿とさせた。西洋から来たクリスマスを和で表現したようで面白い。ただツリーを持ってくるのではなく、どう翻訳するか。
ただのクリスマスツリーから人が休む椅子&クッションとして機能を持たせ、ただのモニュメントではなく行為が生まれる場所にまで持っていくデザイン力が秀逸だ。

伸縮性があり手触りがいい布。クッションの適切な弾力性。これを支えるに最適な鉄骨部分の計画。音響と照明の設計。
ツリーだけど建築設計の色々な要素がギュッと詰まったプロジェクトだった。

by tokup_nao | 2018-12-09 07:17 | 建築 | Trackback | Comments(0)

渋谷ストリーム を訪れて

設計:株式会社東急設計コンサルタント


デザインアーキテクツ:小嶋一浩+赤松佳珠子 /シーラカンスアンドアソシエイツ(CAt)


オフィスロビー アーキテクト:SUPPOSE DESIGN OFFICE


照明デザイン:岡安泉照明設計事務所サイン:GK設計


ブランドアイデンティティ:東急エージェンシー/TAKT PROJECT Inc.


環境演出(空間デザイン・映像・音響):東急エージェンシー/TAKT PROJECT Inc.WOW Inc.evala


できたものが、自ずとよいチームワークだったことを語ってくれます。


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ペデストリアンデッキレベルの道を建物内に貫通させることで、風が流れ店舗群が生き生きしていた。このポーラス(孔)がとてもいい効果を与えています。

奥に行けば行くほどスケールダウンしていく感じも心地よい。

遠くには首都高が見える。新たな渋谷の回遊性が完成されている!



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床には線路が!
記憶の継承。過去への敬意。
エスカレーターが目立つ色のため、わかりやすく動きやすい。


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大きい階段は階段ではなくランドスケープとなり、とても登りやすくなる。これはマウントフジアーキテクツスタジオの建築でもよく感じられた。


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東横線渋谷駅の生き残り。この大きなスペースは考えようによっていろいろ出来そう。



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渋谷ではこの地下からペデストリアンデッキを繋ぐアーバンコアが鍵となる!


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川側が表!
今まで死んでいた川の風景に命が吹き込まれた!

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道路側が裏!という扱い。
搬入や警備員入口はこちらに。

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このちょっとひらけた場所が重要よね。

しかし、巨大建築をよくここまで持って行った!すごい!

にしても、小嶋さんの竣工後の話を聞きたかった。残念だ。
小嶋さんの建築は強いメッセージとして色々な人に伝わっていくでしょう!
拍手!!👏👏👏

by tokup_nao | 2018-12-08 11:40 | 建築 | Trackback | Comments(0)

名古屋の建築 ノリタケの森〜LT城西〜トナリノ

名古屋出張のついでに、市内の建物も少しだけ見てきました。


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まずは、大成が改修を行ったノリタケの森。

本棟は綺麗に改修されていて、もっと遊んでてもいいような落ち着きようでした。

ただ、外構のこの煉瓦の塊の塀が見てると何だかソワソワする異様な雰囲気を放っていました。結構長いぞこの塀。




次にそこから歩いて、成瀬・猪熊さんのLT城西へ。閑静な住宅街に置かれたシンプルなボックス形状に関わらず凄く周りと馴染んでいました。

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役物を使わず綺麗に収まるフレキシブルボードのコーナー部。厚みが薄いので軽快でした。
この部分だけで建物の印象がかなり変わりそうです。

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裏には諸江一紀+鈴木崇真さんによるLT城西2が。周りの住宅スケールに溶け込むようなファサード。

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対照的な2つのシェアハウスが裏では仲良く共用の庭を形成してて微笑ましかった。


続いてまたそこからせっせと歩き、マウントフジ アーキテクツスタジオのトナリノへ。

Setoと同じくここでも大きな階段。初期の屋上のランドスケープから一貫した姿勢。きっとマラパルテ邸好きだろうな。マウントフジと言うくらいだから、気持ちよく歩かせてくれる。階段前に舞台置いていい客席になりそう。PCフェンスのような手すりが合う。

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短辺のみルーバー。こういうオリジナルなコーナーの収まりが一個あるだけで建物を見させるものにする。
LT城西に続き、コーナーの細部、重要ですね。

by tokup_nao | 2018-12-01 13:50 | 建築 | Trackback | Comments(0)

みなと交流センターを訪れて(付属建築物がおもしろくなる訳)

設計:原広司
竣工:2016年

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原さん自身も話していたように、船を浮かせた形で直喩的な表現となっています。
若い建築家ではあまり見ない手法です。

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ピロティは天井が高く開放的でした。
天井の模様が魚の骨に見えてしまう。たぶんそういうことだろう。


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一階のホール。柱が並んでいて何か象徴的な雰囲気がある空間だった。

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ここにも魚の骨?が。この日は園児達の見学で賑わっていた。
壁がRになっていたり、異素材がぶつかったり、とても複雑なものが綺麗に組み合わさっています。


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一階ピロティに一部吹き抜けがあり、天まで続いていた。梅田スカイビルを彷彿させる丸い吹き抜け。
正円って強い形だなと思わせます。
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すぐ近くにまたしても付属建築物。笑
公衆トイレと駐輪場を発見!
ゆだれがじゅるり。

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トイレは上下に構造が分かれていて、半分RCで半分木造という構成。

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木造部分がそれぞれの空間を繋げているので、音と光がどこにいても均一に拡散されます。

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この連立した木造の柱とトップライトがとても象徴的な空間を演出しています。
ここは本当にトイレ?

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裏に回ると設備用の階段。外壁からキャンチレバーで綺麗に出ていて、とても登りやすい緩い階段だ。
一段目の取り合いが少し苦労しているような形跡があります。

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続いてこちらも、付属建築物の駐輪場。

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外壁材の寸法を小さくして、ピッチを変えずに光窓を設置。

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こちれも、トップライトがありとても綺麗。
テンション材が鉄で軽快な感じもあります。このテンション材が木だったら一気にやぼったい雰囲気になってしまうね・・。

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大きな公共建築物にある付属建築物の特徴として、それなりの予算をかけられ良い建築になる条件ができやすいことがある。
恐らく、この公衆トイレと駐輪場だけの公共案件だと建設費はもっと渋かったと思う。
本体と一緒にすることで、全体で予算を調整することができ、
また、普段小さい建築をやっていなくてやりたいと思っている設計者が担当することになり、
楽しくてそれなりに熱が入り、その周辺の小さな建築がいいものになりやすい。
そして、その事務所の若手所員が担当する確率が高い為デザインもフレッシュなものになりやすいと思う。

そういえば、僕が久米のときに始めて担当した建築も本棟に付属する体育器具庫だった。

設計者の想いの本質が、実はこの付属建築物の方がわかりやすく出ていることがあります!
それを知っていれば、建築がもっと僕らに面白く語りかけてくれると思います!

付属建築物に幸あれ!!

by tokup_nao | 2018-11-11 12:33 | 建築 | Trackback | Comments(0)

大三島の伊東豊雄ミュージアムを訪れて

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ところミュージアム大三島
伊東豊雄ミュージアム
今治市岩田健母と子のミュージアム

この3つをレンタカーで見てきました。
3館チケットが1000円で割とリーズナブル。


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ところミュージアム大三島
設計:山本英明・DEN住宅研究所

シルバーハットと似たような屋根がふわりとのっていました。
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このトンがった建物はトイレ。屋根と屋根のあの隙間にゴミが溜まりそうとか考えたら作れない。
もっと細かくなればジョンヘアダックの『自殺者の家』になりそうだ。
少し想像を膨らませるかたちです。

ただ、このトイレ棟と本棟の形の関係性はよくわからなかった。何か意味があるのでしょうけど。

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回廊がにも曲面屋根が軽やかに続く。

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シルバーハットは鉄骨造ですが、こちらは木造です。接合部がとても綺麗。職人技!

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伊東豊雄ミュージアム。
主に島のことや伊東さんの業績を紹介していました。

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元々はこのオスロでのコンペからあのかたちが出ているようでした。
なので、ミュージアム自体はその一部が切り取られたような空間で、オスロのようなもっと続いた空間を見てみたいと思わせました。
この蜂の巣みたいな空間がモコモコと遠くまで、それでいて何処まで続いてるからわからないときにこの空間の面白さが出てくるように感じます。

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移築されたシルバーハット。
1986年に日本建築学会賞を受賞した伊東さんが45歳くらいの自邸です。1989年の著書『風の変様体』の言葉がこの自邸によってさらに重く実態の伴ったように感じます。

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元々この場所の為に建てられたかのようなフィット感。屋根薄い!!


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屋根を支えるRC柱が床スラブからキャンチレバーのようにあることで、屋根の軽さぐんと強調されています。素材と構法の対比が空間に生きているのがよくわかります。

このシルバーハットを詳しく知りたい方は、東西アスファルトの記事がオススメです。
これを読むと、伊東さんが用意したテントを娘が暑くて使えなかったり、やっぱりここに部屋がほしいとか、住みながら考えアップデートしていった経緯が伺えます。

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ここには、先ほどのオスロのような各プロジェクトの模型や、伊東さんの実施図面が沢山ありました。あの物件のここのディテールがどうなってるか知りたい!というときはここの資料でわかるかも。

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敷地内にあった倉庫。可愛い家型。
最近付属建築物ばかり見てしまう。笑


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今治市岩田健母と子のミュージアムの管理棟。
かたちは微妙な感じですが、屋根がとても薄いです。
ミュージアム内は撮影禁止でした。
2人で行くと、相手の足音や話し声が壁に反射され、音がぐるっと回って面白い体験ができます。

見に行く方は車でないと大変。レンタカーお勧めします。とても歩ける距離ではない。

by tokup_nao | 2018-11-11 10:42 | 建築 | Trackback | Comments(0)

フランク・ゲーリーから田根剛へ

2015年に 21_21design sight で田根剛がディレクターを務めるゲーリー展が行われたのもまだ記憶に新しい中、今年2018年の田根剛のギャラリー間での展示が行われた。これはなんと、オペラシティでの展示の同時開催で、前例のない大きな展示になった。
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OPENERSより抜粋

田根さんの展示を見て強く思ったのは、抽象的な物体の模型があのゲーリー展での模型を彷彿させた。また、会場構成も担当してたことで見せ方も含め色々と重なったのかもしれない。
ゲーリー展では「I have an idea」と大きく出ているように、アイデアでプロジェクトをグイグイと引っ張って行く力強さみたいなものを感じさせ、それが田根さんにも確かに大きく伝染し影響を与えていると思わせた。

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今回の展示に合わせて出版された本からは、田根さんの生い立ちから来る建築の考えが赤裸々に語られており、そこにゲーリー展からの影響を聞かれ答えている。

アイデア」の力を学びました。そのアイデアとは、ちょっと思いついて「こういったデザインになりました」という表面的なものではなく、もっと具体的で力強く、世界を変える信念につながったものなんです。中略ーデザインがいいとか悪いとかではなく、アイデアの力が強いかどうかが試されている世界なんだ、ということを学びました。p,69抜粋

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等々力の住宅では、湿度の高い1階と乾いた2・3階のアイデアが瓶に入った植物で示されていた。僕はこれを見て、アイデアに具体的な「かたち」を与えることによって、アイデアの強さが倍増したような印象を受けました。これなら、建築を引っ張れる!と思えてきます。


そして、今回の展示ではアイデアの強さを『記憶』から引き出す田根さんのキャラクターが出てきます。
『アーキオロジー(考古学)からアーキテクチャー(建築)へ』という台が示すように、ヨーロッパの環境で建築設計を学ばれた田根さんが記憶を頼りに設計をするのは、とても必然的な結果のように感じられます。

「建築の良さは長く残っていくこと」とはっきり仰っているのが印象深く、つまりはこういうこと↓でした。


昔は場所の記憶にこだわり、過去にあったものが未来をつくることができると思っていたのですが、そうではなく、場所がもっている記憶はそれにちゃんと力を与えた時に未来を生み出す原動力になるのだ、と。p.91 抜粋


エストニア国立博物館でも負の記憶となっていた軍事滑走路をあえて未来に繋ぐデザインとした。これは実務で提案するとなると、想像より遥かに勇気がいることだと思う。だからこそ、その勇気には徹底したリサーチやそのアイデアを守る価値感が必要とされたいたのだろう。本人の中でそのアイデアに対する揺るがない価値基準があって初めて、この大きなプロジェクトを最後まで推し進めることができたのだと思う。
今までのプロジェクトの実体験からその価値は養われ紡ぎ出され、それらの言葉は重たくとても説得力のある言葉だった。

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実際に展示では、事務所のリサーチに立ち会ったかのような資料を体験できる。強いアイデアの素材たちだ。


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こんな面白いオブジェはどこにあるんでしょ。何だか運気も上がりそうだ。


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抽象から具象まで、様々なリサーチやスタディを行ったり来たりしながら、ジリジリと建築へとかたちにしていく。
考古学者でありながら、新しいものをつくる創作者。研究ハイと創作ハイが同時に来そうだ。

僕自身も「佐倉の住宅」の説明で記憶という言葉を使っていたけど、こんな壮大じゃなくもっと個人的な記憶だった。
強靭なアイデアでぐいぐい引っ張るわけでなく、ふわっとしたスケッチのイメージを追いかけて具象にジャンプしてつくっていました。

勉強になりました!
また打ちのめされそうだ。


tokudaction
徳田直之

by tokup_nao | 2018-11-10 13:00 | 建築 | Trackback | Comments(0)

THE PLUS にインタビュー掲載

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ロンドンのTHE PLUS「佐倉の住宅」のインタビューが掲載されました。

このサイトは芸術全般を取り上げていて、どの記事もインタビューをしています。なので更新頻度は多くはないですが、対話によって個々の作品の本質に迫ろうとする姿勢が面白いです。
様々な国の作者の温度に触れることができるので、是非見てみて下さい!

Interview of "House in Sakura" was posted in THE PLUS in London.
This site covers the whole art. All articles are posted on interviews. So the update frequency is not much, It is interesting to approach the essence of individual works by dialogue.
You can touch the temperature of the author from various countries. Please check it out !


ここにある写真がはどれも印象的なものが多いので、写真が好きな人はおもしろいかも。

あと、建築的な写真も多い気がします。


このポーランドのクラクフを拠点に活動しているパベル・フランクの写真もその一つです。

孤独な写真ですが、写真家自身は実際孤独ではないと話しています。

http://www.thepluspaper.com/2016/11/13/not-loneliness-but-solitude/

彼のサイトです。

https://pawelfranikphoto.com/

人間の儚さが美しく感じます。しみじみ見入ってしまう。

https://pawelfranikphoto.com/single


世界中を芸術というフィルターを通した視点で旅するTHE PLUS。

オススメです。


by tokup_nao | 2018-11-01 11:30 | 建築 | Trackback | Comments(0)


tokup.nao@gmail.com


by 徳田直之 (Naoyuki Tokuda)

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