2018年 11月 10日 ( 1 )

フランク・ゲーリーから田根剛へ

2015年に 21_21design sight で田根剛がディレクターを務めるゲーリー展が行われたのもまだ記憶に新しい中、今年2018年の田根剛のギャラリー間での展示が行われた。これはなんと、オペラシティでの展示の同時開催で、前例のない大きな展示になった。
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OPENERSより抜粋

田根さんの展示を見て強く思ったのは、抽象的な物体の模型があのゲーリー展での模型を彷彿させた。また、会場構成も担当してたことで見せ方も含め色々と重なったのかもしれない。
ゲーリー展では「I have an idea」と大きく出ているように、アイデアでプロジェクトをグイグイと引っ張って行く力強さみたいなものを感じさせ、それが田根さんにも確かに大きく伝染し影響を与えていると思わせた。

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今回の展示に合わせて出版された本からは、田根さんの生い立ちから来る建築の考えが赤裸々に語られており、そこにゲーリー展からの影響を聞かれ答えている。

アイデア」の力を学びました。そのアイデアとは、ちょっと思いついて「こういったデザインになりました」という表面的なものではなく、もっと具体的で力強く、世界を変える信念につながったものなんです。中略ーデザインがいいとか悪いとかではなく、アイデアの力が強いかどうかが試されている世界なんだ、ということを学びました。p,69抜粋

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等々力の住宅では、湿度の高い1階と乾いた2・3階のアイデアが瓶に入った植物で示されていた。僕はこれを見て、アイデアに具体的な「かたち」を与えることによって、アイデアの強さが倍増したような印象を受けました。これなら、建築を引っ張れる!と思えてきます。


そして、今回の展示ではアイデアの強さを『記憶』から引き出す田根さんのキャラクターが出てきます。
『アーキオロジー(考古学)からアーキテクチャー(建築)へ』という台が示すように、ヨーロッパの環境で建築設計を学ばれた田根さんが記憶を頼りに設計をするのは、とても必然的な結果のように感じられます。

「建築の良さは長く残っていくこと」とはっきり仰っているのが印象深く、つまりはこういうこと↓でした。


昔は場所の記憶にこだわり、過去にあったものが未来をつくることができると思っていたのですが、そうではなく、場所がもっている記憶はそれにちゃんと力を与えた時に未来を生み出す原動力になるのだ、と。p.91 抜粋


エストニア国立博物館でも負の記憶となっていた軍事滑走路をあえて未来に繋ぐデザインとした。これは実務で提案するとなると、想像より遥かに勇気がいることだと思う。だからこそ、その勇気には徹底したリサーチやそのアイデアを守る価値感が必要とされたいたのだろう。本人の中でそのアイデアに対する揺るがない価値基準があって初めて、この大きなプロジェクトを最後まで推し進めることができたのだと思う。
今までのプロジェクトの実体験からその価値は養われ紡ぎ出され、それらの言葉は重たくとても説得力のある言葉だった。

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実際に展示では、事務所のリサーチに立ち会ったかのような資料を体験できる。強いアイデアの素材たちだ。


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こんな面白いオブジェはどこにあるんでしょ。何だか運気も上がりそうだ。


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抽象から具象まで、様々なリサーチやスタディを行ったり来たりしながら、ジリジリと建築へとかたちにしていく。
考古学者でありながら、新しいものをつくる創作者。研究ハイと創作ハイが同時に来そうだ。

僕自身も「佐倉の住宅」の説明で記憶という言葉を使っていたけど、こんな壮大じゃなくもっと個人的な記憶だった。
強靭なアイデアでぐいぐい引っ張るわけでなく、ふわっとしたスケッチのイメージを追いかけて具象にジャンプしてつくっていました。

勉強になりました!
また打ちのめされそうだ。


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徳田直之

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by tokup_nao | 2018-11-10 13:00 | 建築 | Trackback | Comments(0)


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by 徳田直之 (Naoyuki Tokuda)

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