第25回新建築賞

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受賞者講演会に行ってきました。
建築家の登竜門と呼ばれる新人賞です。今年は北山さんと貝島さんが審査員でした。
選ばれたものは若松均の「HI-ROOMS 明大前A/路線際の長屋」とTNAの「カタガラスの家」だった。

d0086747_1515976.jpgHI-ROOMSは線路脇にあることもあって、外部の騒音やから身を守るような閉じた建築になっている。住吉の長屋のような閉じた中で開く形式を持つ。一方、TNAのはその名の通りカタガラスの覆われ外部に積極的に開こうとする形式。結果的に外部環境に対しては対称的な二つの作品が選ばれた。でもどちらも、北山さんの言葉を借りれば。「アイコニック」な建築ではないところは共通していた。どちらもシュールな装いで至って周りから際立つようなことはしていないとのこと。

d0086747_1524096.jpgでも、それは昼間の話だ。夜になるとカタガラスの家は、突如町に現れた大きな行燈かのように周りをボワッと照らし出す。ほんわか綺麗な装いだけど、やっていることは大胆で、電気が付く度に周りにその生活の存在を証言していく。ああ、いるんだなと確かにわかるけど、それが周りとのコミュニケーションを産もうとしているかと聞かれたら、それはないと思う。かえって気まずい。カタガラスが床下から天井まで立ち上がって、光が均一に内部に入ってくる様子は吉田五十八の障子みたいで綺麗だと思う。内部空間もステップを生活の一部として使いながら空間をづるづる繋げているのも楽しいと思う。でも、外部空間にはだいぶ冷たい建築ではないだろうか。
そういう意味では、外部環境との関係を持たない建築としてこの二つの作品は対照的ではなく、実は本質的には同じだ。
70年代の住宅ではないけど、都市から遮断して住宅をつくる。でも、遮断の仕方が70年代とは全く違う。ガラス張りで、ガンガン生活スタイルを見せながら、周辺との関係性を絶っている。
妹島さんの森山邸、HOUSE-A、乾さんのアパートメントⅠ。そして今回のカタガラスの家。それらのスーパーオープンスタイル建築は積極的に周りにアプローチし過ぎるが故に、周りがドン引きしちゃってかえって関係が生まれにくいということがある。隣の建物と比べたときにオープンの度合に差があるのがそもそもいけないと思う。つまり、町全体がすべてハイパーオープン建築で埋まったらいい。そうすれば新しい人間関係から生まれる生活スタイルができると思う。市の法律で決めちゃうとか、この地域では開口率何%以上で、自然採光がこの数値以上必要ですと。でも逆に、オープン建築で埋まった町を想像すると、それはそれで誰もが開いた生活を虐げられているようで、その光景はさぞ不気味に映るかもしれない。

ああ、もしかしたら、東京はガルダイアとは真逆の、異様なまでに開いてしまった都市を構築し始めているか・・・。
そこにはアイコニックなものは存在せず、無印で良品な建築が、ただただ、立ち並ぶ。
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by tokup_nao | 2009-04-14 01:51 | 建築 | Trackback | Comments(6)
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Commented by chebi-chi at 2009-04-16 10:32
若松均の「HI-ROOMS 明大前A/路線際の長屋」好きです。
是非住みたい。
Commented by tokup_nao at 2009-04-16 10:51
あの防音壁でどれくらい電車の音がカヴァーできるのか疑わしいな。カーテンなしで住めるってのはいいかもしれないけど、ものが日焼けするか不安。ま、まあ、ガラスはUVカットになっているのかもしれないけど。
Commented by りんたろう at 2009-04-17 21:45 x
武井さんの作品は設計Aのときに初めて見て、かなり影響されました。すてきです。
Commented by tokup_nao at 2009-04-20 01:08
武井さんの建築は開放的でザックリした印象を受ける。たぶんおれは落ち着かなくて住めないやー。
Commented by ごーし at 2009-04-20 02:04 x
きそがわ家の入ってるアパートって近所づきあいみたいのがマジ皆無で、隣の人の性別もわかりません。生まれたときからそういう環境だから、周囲との関係性とか実はピンと来ません。そういう人達がこれからもっと社会に出たら、そのある意味KYな家が当たり前になったりして。

俺もこの開口具合は住めないけど。
Commented by tokup_nao at 2009-04-21 09:38
この前ニュースで、普通のマンションの住民トラブルで苦情を言うのがエスカレートして、火炎瓶を投げたり、「息子を火達磨にするぞ」という強迫の容疑で捕まった人がいた。
あと他に、マンションの上からバケツで水を通行人にぶっ掛けるニュースもあったな。
たぶん、昔に比べて共同意識がないから起こるのかな。あと、普段からコミュニケーションを取らないと、ちょっとしたイザコザがあったときに対処できなくなる。
手塚治虫のトキワ壮みたいな暖かい場所はないのかな。


tokup.nao@gmail.com


by 徳田直之 (Naoyuki Tokuda)

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