奈義町現代美術館

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奈義町現代美術館(1994)(岡山県)
設計:磯崎新

先日ゼミ合宿で行ってきました。

この美術館は荒川修作+マドリン・ギンズ、宮脇愛子、岡崎和郎という三人のアーティストのために独立した建物があって、建物はその作品のために作られている。作品は固定されている。
行ってみて、この美術館では市民ギャラリーと図書館が併設されているのがポイントだなと思った。おそらく本当に三人のアーティストだけのギャラリーだけでは採算が取れないだろう。

日常時は図書館と市民ギャラリーに人が訪れ、遠くからは美術館好きや建築好きがたまに訪れる。ゲーリーのグッゲンハイムや安藤さんの地中美術館、最近では三分一さんの犬島、のように観光にまで発展はしないものだから、図書館と市民ギャラリーはかなり大事だなと思った。町民からすればこの三人のアーティストはどう映っているのだろうか。一回性の美術ってのはこの町にはかなり厳しい気がした。地方に美術館を造るというのはとてもシリアス。



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荒川修作+マドリン・ギンズ「遍在の場・奈義の龍安寺・建築的身体」
まずはこの対談を
荒川修作 VS 磯崎新
この二人がよくこの奈義で一緒に仕事をしたなと思う。
養老天命反転地は僕も行ったことあるんだけど、あそこはどうも好きにはなれなかった。というよりも、荒川修作はどうも好きになれない。有機体とは言いつつもそれを建築まで拡張してしまうとそれは劣化してしまう。そこが大問題だと思った。この奈義町現代美術館ではそれぞれ二つの竜安寺、鉄棒、シーソー、椅子、赤と緑色の床。やっぱ椅子があれば人は座るし、鉄棒があれば逆上がりするし、シーソーがあれば使ってみるし。その身体を突き動かすことが目的なんだろうけど、天井にあるもう一つのものとは人が加わることによって色落ちがしたり、痛んだりしてしまう。劣化していくことによってもう一つのもの達とは差異が次第にできてしまい。どうもみんな反転した同じものではなく違うものに見えてしまった。芸術と建築の大きな差があるとすれば、建築は人によって消費されるということ。必ず次第に痛み弱っていく。荒川修作はやっぱそこがわかってないんじゃないかと思った。だから、荒川修作の建築は痛み出した瞬間にどうもチープに見えてしょうがない。養老天命反転地なんてとくに巨大なゴミにと化してしまった。奈義のようにカンの中に閉じ込めてしまった方がまだうまく行くじゃないだろうか。


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宮脇愛子「うつろひ-a moment of movement
磯崎さんの奥さんです。群馬県立近代美術館でも見ました。変わらないな。変わらないのがいいのかな。

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岡崎和郎「HISASHI-補遺するもの」
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とても音が反響する空間でした。床が砂で歩くとジャリジャリと音がする。そしてやっぱ音を鳴らしたくなるよね。音の反響でここまで空間が劇的に変わるのだな。月の方角に建物が向いているらしいけど、この反響とはどういう繋がりがあるのだろうか・・・。
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図書館はそこまで大きくはないんだけど、とても使い心地が良さそうだった。幼児と来ているママさんが児童書を楽しそうに選んでいた。
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市民ギャラリーでは山下律子という作家の作品が展示してあった。女子美出身。
この人結構好きだ。
「素通りして、立ち止まってほしい」
この台詞もいいな。
ここには風景と場面がある。人はどれもとんがり頭になって抽象化しようとしてる。その分個人を越えたその風景にしか出てこない場面がふわりと浮かび上がる。第六感で場を感じるようなものがこの絵にはあるような気がする。色は一色、線だけという還元さえ効果的に見える。細部を見ることなく全体で感じたい絵だな。そして、その場面の一員にさせてくれる楽しさがあるような。
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by tokup_nao | 2008-10-22 23:57 | 建築 | Trackback | Comments(0)
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