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建築設計事務所の仕事の様子と雑談を綴っています。


by 徳田直之 (Naoyuki Tokuda)
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地球を彫刻する

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昨日から世田谷美術館でやっているダニ・カラヴァン展に行ってきました。1930年生まれのイスラエルの彫刻家Dani Karavan
この展示ではイスラエルとドイツの協力の元で企画された世界巡回展です。78歳ぐらいになるのでしょうか。高齢にも関わらず未だに世界各国を回り精力的な活動をしています。
磯崎新さんと同じぐらいか。北九州の美術館でも展示されたことがあるようでもしかしたらお知り合いかもですね。
この展示ではインスタレーションから始まり時代を遡り若いときの絵画から舞台芸術、彫刻という順に展示されています。

最初のインスタレーションは通路にあり、「床に落ちた石」→「天井に掛けられたはしご」→「天井から釣り下がる米袋」→また「石」「はしご」「米」 が反復されて通路が終わるまでつらなるもの。視点が下の石からはしごによって上におびき寄せられ米をみつめる、それが何回かつづく。反復することによって次第に高まる期待感・・・。そこに突如現る、砂。砂に付けられた小さな子の手。ドキっとした瞬間奥の扇型の展示室に目をやると黒石の山が四つ。それもまた砂の上。砂・・・。とても静けさを纏う四つの小さな山。墓を見ているような、もしくは始まりを見ているような。砂をよく見ると誰かの足跡が。よたよたと歩いたような感じ。もしやカラヴァンの足跡か・・・?彼はどこに行くのか、もしくは行ってきたのか・・・。 美術館の中の空間を彫刻したカラヴァン。恐るべし。

高齢なので日本に来るのはこれで最後になるかもしれないとふと思った。すいませんw





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このぐらいぶっ飛ぶ空間というわけですかい・・・   このスケッチ天才だ・・・
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ギリシャのアクロポリスだとか、ストーンヘッジやエアーズロックに負けない迫力をもつカラヴァンの彫刻。いや、ここまでくるともう彫刻とは呼べないのかもしれない。LandArtだとかランドスケープ。これだけ巨大で凄まじいのに、なぜか人に安心感や希望を与えてくれるのは不思議な感じがする。そういえばレム・コールハースが都市の建物に対して巨大化する脅威性のようなものを問題視していた。(勘違いかも・・・) あるスケールを越えると人間には介入できないところに達してしまう。それはどうしたもんかと。西新宿を見上げてもどこか捉えきれない不安感が漂うような感じといいましょうか。 でもカラヴァンは違う大きさを有している。それは大きさではなく広がり。人を導かせてくれる広がり。いい大きさにはいい広がりがある。パルテノン神殿は丘の上にあって、さらにプロピュライア、ニケの神殿などの余白を持たせた構成も加わり眼下には街が広がる。その広がり。ストーンヘッジやエアーズロックもその周りに何もないってことが重要。大きさを支える広がりがあってこそ始めてその巨大化した彫刻はLandArtになりえる。

いつか絶対この目で見に行こう。
見に行くというか一部になりに行く感じかもしれないw
by tokup_nao | 2008-09-04 01:58 | 美術 | Trackback | Comments(0)