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建築設計事務所の仕事の様子と雑談を綴っています。


by 徳田直之 (Naoyuki Tokuda)
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デビッド・チッパーフィールドの『後藤美術館』を訪れて

デビッド・チッパーフィールドの『後藤美術館』を訪れて_d0086747_13300143.jpg
千葉県松戸市にある、デビッド・チッパーフィールド・アーキテクツ +紙谷空間計画事務所による旧後藤美術館を見て来ました。
建物の周りをウロチョロしていたら、近所のおばあ様が話しかけてきてくれて、建築系の方が良く見に来られると話していました。
建築当時は、地下から水が溢れ出て工事が大変だった様子を話していました。
今は使われていなく、たまにオーナーのような方が様子も見に来ているそうです。
芸大の人がよく来ていたとも仰っていました。


デビッド・チッパーフィールドの『後藤美術館』を訪れて_d0086747_13300469.jpg
ぐるっと見ても、立面にスキがないデザインでした。
どこから見ても完成されたプロポーション。
1990年竣工のデザインとは恐れ入ります。
今の建築にはない、当時の建築デザインの緊張感が漂っていました。
脱構築主義、デコンストラクティビズムの時代を感じさせるような、ポストモダニズムの足掻きなのか、
少し複雑なデザインの癖があるように思いました。


デビッド・チッパーフィールドの『後藤美術館』を訪れて_d0086747_13300557.jpg

デビッド・チッパーフィールドの『後藤美術館』を訪れて_d0086747_13300735.jpg
エントランスは一ヶ所に絞り、そこから動線を下へ上へと分けています。
素直な動線計画。

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地下まで一気に視線が通るので、二層分を難なく降りられそうでした。


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閉鎖的なようで、実は開口部は大胆に開けられており、開放的な内部空間がありそうです。
こちらのサイトで内部の様子がわかります。
https://www5b.biglobe.ne.jp/~kam/work1.html
展示室がびっくりするぐらい広いことがわかります。
この空間構成は、ほんと外からじゃ想像できません。


デビッド・チッパーフィールドの『後藤美術館』を訪れて_d0086747_13304286.jpg
個人的オーナーの後藤守男氏がコレクションの展示と若手作家の発表の場となるよう開設した美術館らしいのですが、
よくぞデビッド・チッパーフィールドというロンドンの建築家に頼んだな!と思います。
一体どういう経緯で1988年から2年もかかる工事をすることにしたのだろう。
周りは閑静な住宅街で、当時はほとんど畑だっただろう。
この松戸にこの美術館。
考えれば考えるほど、どうして、どうして?が頭に浮かびます。

ただ、こうして苦労して建てた建物で、しかもデザインが強いものならなおさら、今後の行方が気になるばかりです。
仮に、取り壊すことになるのだとしたら、是非見学会を開催してほしい。。!



デビッド・チッパーフィールドの『後藤美術館』を訪れて_d0086747_14012213.jpg

by tokup_nao | 2024-06-02 22:28 | 建築 | Trackback | Comments(0)