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建築設計事務所の仕事の様子と雑談を綴っています。


by 徳田直之 (Naoyuki Tokuda)
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『オッペンハイマー』を観て

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アインシュタインとオッペンハイマー

エンジニアの使命の中で、自分の能力を最大限に生かしたり挑戦したいときに、倫理観と対峙する時があるように感じた。
この映画では天才物理学者のオッペンハイマーに焦点が当てられていたが、『風立ちぬ』の堀越二郎も同じ構図で、天才が故の苦しみの映画だったように思う。
職種によっては、才能を試したり挑戦するときに、国や時代に翻弄されなければ活路が見いだせないものも多い。
時には、国家プロジェクトを進める建築家も同じではないだろうか。
建築家は特に大きなプロジェクトになればなるほど、反対意見に晒される。
しかし、その建物が良いか悪いかは、何年も経った後にやっとわかるものだと思う。

アインシュタインは国を捨てて、色んな痛みを伴って歩んできたから、オッペンハイマーが自分と重なってのラストのセリフだった。
ラストのこの一言へ終結する為の映画だった。

原爆がいいか悪いかとかじゃなくて、人間の歴史っていつもこうだったよね。。これからもそうだよね。。って教えてくれる映画で、人間の弱さや罪深さを感じられた。

クリストファー・ノーランが世界的な人気監督となってしまった苦しみにも、このオッペンハイマーが重なるところが感じた。
だから、余計に感情に訴えかける演出に磨きがかかったように思う。

ノーランのいつもの時間を巧みに操る映画手法だったり、「無限音階(シェパード・トーン)」で緊張感を与える音楽、IMAXのアナログフィルムの拘りは健在で、どうせなら、次回は奮発してグランドサンシャイン池袋のIMAX-GTで鑑賞したいと思う。
常設の映画館として国内最大になるという高さ18.9メートル×幅25.8メートルのスクリーンを、一度はノーラン映画で体感してみたいものだ。

by tokup_nao | 2024-04-10 12:51 | 映画 | Trackback | Comments(0)