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by 徳田直之 (Naoyuki Tokuda)
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長谷川豪 カンバセーションズ

長谷川豪 カンバセーションズ_d0086747_13022843.jpg

世代の異なる6組の対談集で、それぞれが考えていること、建築をつくるときに意識していることがここまで色濃くバラバラなのかと驚く内容だった。この対談を読みながらそれぞれのサイトを見てみたり、読み終えてから改めてじっくり作品を見てみるいると、すんなり理解できるようなところがでてきて面白い。

シザが若いころは国の政策が閉鎖的で仕事がなく、郊外でなんとか仕事をみつけやっていた。そこで時間をかけて敷地の岩のスケッチをしたりして訪れ海と繋がるプールをつくる当時25歳!の話が印象的だった。
世界がどう変動しようと、自己のリアルな体験からつむぎ出し変わらない部分を大事にもっていたシザだからこそ、風化されない建築をつくれるのかなと思う。そのことを長谷川さんが対話を終えてできれいにまとめられていた。
つねに世界に目を向けてそれを理解しようと努めるとともに「世界やあらゆる物事からの距離を保つこと」の重要性を語った。建築にかかわるさまざまな事象に配慮し、しかしそれらに依存しないこと。形式主義的な自立性とは異なる、数々の関係を調停した結果として生まれる自律性と寛容性の共存が、シザの建築を現代的なものにしている。
自律的な自分を観察できる客観的な自分がいる。結構できそうで、なかなかできない気がします。
そこで、コルビュジェやミースを歴史の連続性に貢献したとする見方がおおらかな捉え方で、シザらしいという感じもするし、そう見ればいいのか・・・と気づきもありました。

どの対談でも長谷川さんのガハハと笑いながらの建築愛があるからこそ、それぞれの建築家が変につくらず本音をさらけ出してくれたようです。カンバセーションズPart2やってほしいですね。

by tokup_nao | 2019-04-22 00:03 | | Trackback | Comments(0)