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建築設計事務所の仕事の様子と雑談を綴っています。


by 徳田直之 (Naoyuki Tokuda)
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銀木犀〈柏〉を訪れて

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サービス付高齢者住宅の銀木犀〈柏〉を見学してきました。
建物は鍵がなく自由に出入りできます。閉じ込めるのではなく、居たくなる施設。ここで死にたい!と言う方が出てくるほど、中の居心地がとても良かった。

エントランスではクタクタに良くなったコルビジェのLC2が迎えてくれて、ルイスポールセンのペンダント照明や家具職人がここに合わせて作られた椅子など、至るとこに今までのイメージの高齢者用住宅を払拭する良い設えが散りばめられていた。
小さなことだけど、部屋のネームプレートや郵便受け、スリッパなどの小物たちも愛らしくとても気を配られていて、ちょっとお洒落なホテルのような気の配られようだった。運営者に拍手したい!

ハード面だけでなくソフト面でも改革的で、併設された駄菓子屋には子供たちが出入りし、事務では余裕のある入居者が事務仕事をしていたり、ラウンジや食堂も地域の人が出入り自由。
他の施設では入居者が駄菓子屋の店番をして子供が会計の計算していることもあるらしい。素晴らしい。
そしてなんと、ペットも可。誰でもいつ身体の自由が効かなくなるかわからない。一人暮らしの高齢者が飼っているワンちゃんと一緒に直ぐ入居したいなんてケースは容易に想像がつく。それができる限られた場所ではないだろうか。

また、入居費0円で、しかも家賃もそこまで高くないのもとても良心的だ。高齢者住宅は調べてみるとほんと千差万別で、入居費300万から9000万のところまでバラバラだ。
ただ、家が買えるくらいの入居費を払ってみたものの必ずしもその方にその住宅が合うかはわからない。私個人としては地域の子供や住人と緩やかに繋がりながら、周りと関わりをもてて行ける開かれた場所が安心できるし、その方が幸せではないかと思う。
なので、部屋に風呂があるより共同の風呂がいいと思うし、施設そのものに厳重なセキュリティーは無い方がいいと思ってしまう。

終末期については施設内でみとれるので、文字通りここで死にたい方はその希望が叶えられる。私が見学中にも医師が見回りに来ていて、家族もとても安心できそう。

入居には介護認定が条件ではあるが、それ以外の大きな障害はなさそうだ。
介護の現場で悲しいニュースがある一方で(それはとても稀なケースではあろうが)、このような施設が地域と共に頑張っている。
これが日本のスタンダードになってほしいと強く思わせてくれた。

北欧の介護高齢者施設はとても進んでいそうで、その精神もここにも宿っている感じもした。これからの高齢化に伴い、日本での良いモデルケースになりそうだ。

設計施工は株式会社シルバーウッド。
施設の方に会社の今後の展開も聞かせて頂いた。まだまだ面白そうなことになりそうで、期待大!

by tokup_nao | 2019-01-22 17:23 | 建築 | Trackback | Comments(0)