カレヴァ教会
2012年 11月 22日
いい教会ってどんなでしょうか。
2009年の8月の終わりに訪れた教会を紹介します。
場所はフィンランドのタンペレという都市です。
駅から歩いて20分ぐらいのとこにあった気がします。
場所もろくに調べずにいって、通行人のお兄さんに写真を見せながら「この大きいチャペルどこだい?」と聞いたら、
「あっちに歩いて行けばあるよん!」と優しく答えてくれた。
というか、フィンランドの人はみんなほんと優しかった。
美人なお姉さんも道で目が合うと、優しく微笑み返してくれる始末だ。天国はここにありました。
で、てくてく歩いていくと、小さな丘の上に見えてきた!!

なんだあれ!見つけたとたんダッシュ!
回り道させるような歩道がよけいに焦らさせる!

スーパー創造を膨らませる外観。中はどんななってるんだ。
ついに、入れる!
そして、よくみると時間がかいてありまして・・・、

空いてる時間は11時~15時ですか。ふむふむ。
時計をみるとただいまの時間は16時・・・・・。
・・・・・。
えーーーーーーーーーーー!終わってるのーーーーーーーー・・・!!

しかたなく、そとから内部をパシャリ。
うむむ、よく見えない・・・・。
ちくしょー・・・・・。
外がいつまでも明るいもんだから油断したーーー・・・・・・・・。
とおもってたら、監視カメラでみていたのか、
神父さんのような方が中からでてきて、「お入りなさい^^」 と言ってくれた!!
こういうところが、フィンランドクオリティ!!

内部広すぎです。私の子供カメラじゃ収まりきれません。
内部だけど、外のような開放感。
ここまでやると、新しい内部が開けてくる。アルヴァロ・シザとは違う、ナイーブなおおらかさを感じる。繊細なフィンランド人がつくった大きなスケール という印象。そのままだが・・・。

長い椅子の延長に開口部が長く続く。いいリズム。

階段とその上の造形物がいい具合に呼応してる。


あの後から付けたような天井のタイル、いるのかな?

この椅子もよくみると、かなり凝ったデザインだ・・・。

床もよくよく見ると、祭壇に向けて微妙な傾斜が付いてます。
気がつかない、でもあると気持ちのいい隠されたデザイン。こういうのが後々効くんだ。

模型をみると、この偶然生まれたかのような有機的な平面がわかるだろうか。
海にいそうな生物的な形だ。何かしらのモチーフはあっただろう。
同じパターンの繰り返しに見えるが、方角によって大きさとリズムを変えている。
微妙な光の操作をしているようだ。
フィンランドのような北欧の地域は太陽高度がかなり低いので、このような形にするとかなり効果的に光りが建物を横切る。少しいるだけで、建物内部がめぐるめく変わっていく。これが、気持ちいい。
ユハ・レイヴィスカの建築もこの低く永い光の入り込みを匠に利用して空間演出をしていた。
彼が、北欧以外に建てたらあそこまではならないのではと思う。

この教会は1959年に提出されたコンペ49案の中から選ばれた Reima and Raili Pietila(ライリ&レイマピエティラ) 夫妻のデザインによるもので、1964年に着工、1966年に竣工。66年のものだったが全く古さを感じさせないいい建築であった。
30mのスリットから入り込む光が、時間の経過と共に刻刻と変化していく。ここでの光と共に空間が変化してく感覚は、光が降り注ぐ深い水の中を泳いでいるかのような気持ちのいいものだった。
丘の上に教会を建てるのは、ただ単に象徴性を持たせる以外にも、綺麗に光を取り入れたいということもあっただろう。
ただ、床・天井・外壁に後から付けられたかのようなベージュのタイルは何だかよくなかった。誰かから聞いたのかわからないが、最初は外壁はタイルがなく、コンクリートかモルタルがそのまま現されていたと聞いた。そして、周辺の住人が気味が悪いからといって、タイルが貼られてしまったと聞いたような気がする。もしかしたら、私の思い違いかもしれない・・・。でも、それが実話のように感じるほど、タイルはなんだか良くなかった。ゴシック的な上昇志向の空間ヴォリュームに対して、タイルを貼ることには反射的に抵抗を感じたのかもしれない。
アールトを始め、フィンランドには優しい表情の建築が多いと思う。トゲトゲしたようなものや、クールな感じのデザインがほんとにない。キアズマもクールに見えるが、訪れてみるとだいぶ表情に肌感があって暖かく感じた。寒い冬を暖かくさせてくれるデザインに満ちあふれた、ちょっと鎖国気味な風土や、おしとやかな人柄。うむ。どれをとっても日本とちょっと似ているな。と感じさせるフィンランド。
アールトの自邸に行っても、見学者は日本人が多い。
かもめ食堂もいいとこ目を付けたね。
他のブログでもカレヴァ教会を紹介しています。
http://www.kishimoto.sd.keio.ac.jp/tour2007/day07.html
http://hokuouzemi.exblog.jp/3956411/
http://saitalog.blogspot.jp/2010/12/blog-post_24.html
↑
このitalogさんのブログに冬の写真が載っています。
これを見ると、ベージュタイルも悪くないかな? と思わせます。
青木さんの青森県立美術館も夏と冬で変わるよね。
あれは冬の方が良かった。冬の方が土の中に入るという感覚が理解できる。夏に行くと閉じすぎてるなと感じる。まあ、夏は十和田美術館があるか。
教会を光の性質で大きく二つに分けると、光を絞って入れるものと光を均質に全体的に入れるものがあります。
カレヴァ教会は前者ですね。
SANAAや石上さんがつくったら後者かな。
丹下さんは前者。
フィンランドは寒いので前者がおおいかも。
ミースは後者。
コルヴィジェもカーンも前者。
スティーブンホールは均質な光を部分的にはめ込むタイプなので、どちらとも言えないような。
日本の建築は後者が多いのか。白川郷などの冬が寒い場所は前者が多いのか。
このカレヴァ教会をもっともっと抽象化してったら、現代の日本の建築でも充分行けると思うよ。
えっと、つまりは、いい教会ってのは半世紀経っても地球の裏からはるばる訪れて見に来てくれる人がいるような教会ってことかな。(それって教会に限らずだね。。。結論が拡散してしまった。)
もし、フィンランドの方が日本に来て、このお寺はどこにあるんだい?と聞いてきたら、僕は見に来てくれてありがとうと言ってその場でハグしてしまいそうだ。


フィンランド光の旅―北欧建築探訪
↑
持っていったのはこの本。かなり役に立った。
P.S.
ブログもう一つあります。こちらにも遊びにきてね。
↓
http://omoshirobook.blogspot.jp/
2009年の8月の終わりに訪れた教会を紹介します。
場所はフィンランドのタンペレという都市です。
駅から歩いて20分ぐらいのとこにあった気がします。
場所もろくに調べずにいって、通行人のお兄さんに写真を見せながら「この大きいチャペルどこだい?」と聞いたら、
「あっちに歩いて行けばあるよん!」と優しく答えてくれた。
というか、フィンランドの人はみんなほんと優しかった。
美人なお姉さんも道で目が合うと、優しく微笑み返してくれる始末だ。天国はここにありました。
で、てくてく歩いていくと、小さな丘の上に見えてきた!!

なんだあれ!見つけたとたんダッシュ!
回り道させるような歩道がよけいに焦らさせる!

スーパー創造を膨らませる外観。中はどんななってるんだ。
ついに、入れる!
そして、よくみると時間がかいてありまして・・・、

空いてる時間は11時~15時ですか。ふむふむ。
時計をみるとただいまの時間は16時・・・・・。
・・・・・。
えーーーーーーーーーーー!終わってるのーーーーーーーー・・・!!

しかたなく、そとから内部をパシャリ。
うむむ、よく見えない・・・・。
ちくしょー・・・・・。
外がいつまでも明るいもんだから油断したーーー・・・・・・・・。
とおもってたら、監視カメラでみていたのか、
神父さんのような方が中からでてきて、「お入りなさい^^」 と言ってくれた!!
こういうところが、フィンランドクオリティ!!

内部広すぎです。私の子供カメラじゃ収まりきれません。
内部だけど、外のような開放感。
ここまでやると、新しい内部が開けてくる。アルヴァロ・シザとは違う、ナイーブなおおらかさを感じる。繊細なフィンランド人がつくった大きなスケール という印象。そのままだが・・・。

長い椅子の延長に開口部が長く続く。いいリズム。

階段とその上の造形物がいい具合に呼応してる。


あの後から付けたような天井のタイル、いるのかな?

この椅子もよくみると、かなり凝ったデザインだ・・・。

床もよくよく見ると、祭壇に向けて微妙な傾斜が付いてます。
気がつかない、でもあると気持ちのいい隠されたデザイン。こういうのが後々効くんだ。

模型をみると、この偶然生まれたかのような有機的な平面がわかるだろうか。
海にいそうな生物的な形だ。何かしらのモチーフはあっただろう。
同じパターンの繰り返しに見えるが、方角によって大きさとリズムを変えている。
微妙な光の操作をしているようだ。
フィンランドのような北欧の地域は太陽高度がかなり低いので、このような形にするとかなり効果的に光りが建物を横切る。少しいるだけで、建物内部がめぐるめく変わっていく。これが、気持ちいい。
ユハ・レイヴィスカの建築もこの低く永い光の入り込みを匠に利用して空間演出をしていた。
彼が、北欧以外に建てたらあそこまではならないのではと思う。

この教会は1959年に提出されたコンペ49案の中から選ばれた Reima and Raili Pietila(ライリ&レイマピエティラ) 夫妻のデザインによるもので、1964年に着工、1966年に竣工。66年のものだったが全く古さを感じさせないいい建築であった。
30mのスリットから入り込む光が、時間の経過と共に刻刻と変化していく。ここでの光と共に空間が変化してく感覚は、光が降り注ぐ深い水の中を泳いでいるかのような気持ちのいいものだった。
丘の上に教会を建てるのは、ただ単に象徴性を持たせる以外にも、綺麗に光を取り入れたいということもあっただろう。
ただ、床・天井・外壁に後から付けられたかのようなベージュのタイルは何だかよくなかった。誰かから聞いたのかわからないが、最初は外壁はタイルがなく、コンクリートかモルタルがそのまま現されていたと聞いた。そして、周辺の住人が気味が悪いからといって、タイルが貼られてしまったと聞いたような気がする。もしかしたら、私の思い違いかもしれない・・・。でも、それが実話のように感じるほど、タイルはなんだか良くなかった。ゴシック的な上昇志向の空間ヴォリュームに対して、タイルを貼ることには反射的に抵抗を感じたのかもしれない。
アールトを始め、フィンランドには優しい表情の建築が多いと思う。トゲトゲしたようなものや、クールな感じのデザインがほんとにない。キアズマもクールに見えるが、訪れてみるとだいぶ表情に肌感があって暖かく感じた。寒い冬を暖かくさせてくれるデザインに満ちあふれた、ちょっと鎖国気味な風土や、おしとやかな人柄。うむ。どれをとっても日本とちょっと似ているな。と感じさせるフィンランド。
アールトの自邸に行っても、見学者は日本人が多い。
かもめ食堂もいいとこ目を付けたね。
他のブログでもカレヴァ教会を紹介しています。
http://www.kishimoto.sd.keio.ac.jp/tour2007/day07.html
http://hokuouzemi.exblog.jp/3956411/
http://saitalog.blogspot.jp/2010/12/blog-post_24.html
↑
このitalogさんのブログに冬の写真が載っています。
これを見ると、ベージュタイルも悪くないかな? と思わせます。
青木さんの青森県立美術館も夏と冬で変わるよね。
あれは冬の方が良かった。冬の方が土の中に入るという感覚が理解できる。夏に行くと閉じすぎてるなと感じる。まあ、夏は十和田美術館があるか。
教会を光の性質で大きく二つに分けると、光を絞って入れるものと光を均質に全体的に入れるものがあります。
カレヴァ教会は前者ですね。
SANAAや石上さんがつくったら後者かな。
丹下さんは前者。
フィンランドは寒いので前者がおおいかも。
ミースは後者。
コルヴィジェもカーンも前者。
スティーブンホールは均質な光を部分的にはめ込むタイプなので、どちらとも言えないような。
日本の建築は後者が多いのか。白川郷などの冬が寒い場所は前者が多いのか。
このカレヴァ教会をもっともっと抽象化してったら、現代の日本の建築でも充分行けると思うよ。
えっと、つまりは、いい教会ってのは半世紀経っても地球の裏からはるばる訪れて見に来てくれる人がいるような教会ってことかな。(それって教会に限らずだね。。。結論が拡散してしまった。)
もし、フィンランドの方が日本に来て、このお寺はどこにあるんだい?と聞いてきたら、僕は見に来てくれてありがとうと言ってその場でハグしてしまいそうだ。
フィンランド光の旅―北欧建築探訪
↑
持っていったのはこの本。かなり役に立った。
P.S.
ブログもう一つあります。こちらにも遊びにきてね。
↓
http://omoshirobook.blogspot.jp/
by tokup_nao
| 2012-11-22 12:35
| 建築
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