Hibiya kadan

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設計:乾久美子

日比谷公園と日生劇場の間に建つ、お花屋さん。
ここでは、ヴォリュームのようであり、フレームのようであり、どちらとも受け取れるようなスケール感が慎重に挿入されている。窓もここまで大きいと窓とは呼べないような、ゲートかな?、花園へと招待してくれるであろう、あのいくつものゲートがパラパラと集まって箱の形になろうとしている初期段階の運動を、そっと一時停止させたようだ。
はたまた、素材の重みと間隔には西洋の連柱も想起させるのだ、という人がいるとしたら、得体の知れないどこにも属さないノンジャンル超中性建築とも言えそうだ。

西沢平良との対談の中で、緊張感のある箱が建ち並ぶ都市への前段としての建物のような言い方をしていたが、それはあくまで公園の中から有楽町へと歩を進めたときの話だ。大体の人は日生劇場から大通りからこの建物に出会うことになる。そうした時のこの建物の印象は、?ではないだろう。?が生まれた瞬間に、乾劇場が始まる。

建物をブラブラとしてかしないで、まあ、そそくさと歩いて通り過ぎ、公園まで歩いた時に振り返った瞬間にこの建物の場所らしさが表出してくる。遠くからファサードの素材に焦点を絞ると、乾建築の間から日生劇場のファサードが垣間見える。そこときに、遠近をまたいで、同じような素材の連続がふと現われる。その素材に気づき、辺りを注視すると、帝国ホテル新館下層部のタイルにもアナロジーを見出してしまうかもしれない。

スケールから素材まで周りとフワフワと関係を持ちようとする箱建築は、森山邸の箱建築とは全く異なる到達点を獲得しようとしているのか。乾さんが言う「そっと建築をおいてみると」は周りを変えずに溶け出していく建築を意図しているのだろう。そこでやろうとしている、さり気なさ、趣、そっと湧き立つ気づくか気づかないのかの曖昧な隠れた情緒のような感覚(うまい言葉が見当たらないけど・・・)、陰翳礼讃のような?、日本独特の謙虚な感動がそこにはあるように思う。

乾さんの強みは、この神業と思えるくらいのコンテクストの読み方・扱い方の鮮やかさなのだろう。
by tokup_nao | 2010-04-17 21:52 | 建築 | Trackback | Comments(2)
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Commented by たんり at 2010-04-26 01:07 x
これ見に行かなきゃ…。
Commented by tokup_nao at 2010-04-26 10:13
学校の帰りにでも行きなよーーー。


tokup.nao@gmail.com


by 徳田直之 (Naoyuki Tokuda)

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