サロン@ソヴィエト・アヴァンギャルド

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ジュンヤに誘われ、経堂駅から徒歩五分のとこにある、日ソ会館で行われるソヴィエト・アヴァンギャルドのサロンに参加する。
講師は川上玄という75歳のお祖父さんだった。そこのサロンはロシアの文化に興味がある人や元々建築をやっていた定年退職したお祖父さん達の会であった。そこに若者が入り込んでしまった。500円の参加費が必要なのだが、「学生さんかい?^^」とお婆ちゃんに聞かれ、そうですと答えると、大変歓迎されて無料で爺さんだらけのサロンに参加した。
玄さんが事前に作成したA3三枚分のレジュメを渡され、プロジェクターを見ながらソヴィエト・アヴァンギャルドの講義が始まった。題目は『ソヴィエト・アヴァンギャルド建築、その成立と展開~合理主義と構成主義~』。




土木構築物から始まり、アヴァンギャルド美術、そしてアヴァンギャルド建築への流れがアヴァンギャルド研究者のセリム・ハン=マゴメドフの本から抜粋した多くの図版と共に語られていく。玄さん曰く「ソヴィエト・アヴァンギャルドは体系的でない運動、時代が過ぎてから後から見ても難しい時代。多くの建築が実際に建っていない。建っていたとしてもそれは戦争の時に大部分が壊されてしまった。貴重な書物や写真に頼るしかない。」
多木浩二や磯崎新はよくロシア・アヴァンギャルドとデコンを比べる。そして、今日思ったことは、やはり似ている。エル・リシツキーの「平面的なスカイクレーパー」と言われるものはOMAだし、ラドフスキーの各建築が角度を振って交わり斜め上の消えていくようなドローイングはゲーリーそのものだし、というか現にレムはレオニドフに影響を受けていると言っているし。未完のソヴィエト・アヴァンギャルド建築が今の時代になって次々と建てられてしまっているではないか。というか、玄さん75才といこともありもろに磯崎さん(77才)の世代であった。戦後の焼け野原が原風景世代である。このときも、戦後の建築に対する危機意識の話をこの世代から生で聴けたのが新鮮であった。やはり、この世代は戦後の共有意識は半端なかったらしい。「個人と社会が切り離されていると現代ではよく言われている。私はその一体感を戦後感じた。個人と社会が一丸となって(それこそ日の丸となって)建築が必要だと感じ、これからの日本を立て直そうとした。」この連帯感は僕らの世代には到底感じることのできないものだ。玄さんはこの社会と個人が一つになったような意識がソヴィエトにもあったのではないかと言う。それこそソヴィエト・アヴァンギャルドの強みなのだと。体験した言葉重みが違いすぎるなと思った。本で読む戦後の連帯感とやらが、ああこれかなのかと、恐れ入った。僕らが勝てっこないじゃんかと・・・。そこで、玄さんは今の時代に潜む問題が合理主義と構成主義の関係にヒントが隠されているのではないかと言う。

玄さんは合理主義(ラツィオリズム)と構成主義(コンストルクチヴィズム)が一般的に言われている合理主義と構成主義とは違うようなことを言っていた。ここで言うラツィオリズムとは「人間の感性を含めたもの、「合理」とは違う」とのことだった。それはコルビュジェにそっくりの建物をつくつギーンズブルグがコルビュジェと同じではない!と反発していたことと関係があるのか、ないのか。ロシアの主義主張の知識の土壌がない自分にとってはわからないところであった。予めソヴィエト・アヴァンギャルド建築の基礎知識があったらもっと楽しかったのだろうになあと思った。
僕芝浦工大なんですよ、八束先生が・・・と話したら、玄さんは十代の少年のようなキラキラした目で「ああ!是非一度お会いしたいなあ!よろしく頼むよー。でも、こんなとこに大先生は来てくれないだらうなー。ははは。」と言われてしまった。会わせたら玄さんは本当に本当に楽しそうにソヴィエト・アヴァンギャルド建築について語りまくるのだろうなと思う。

定年停職した人たちが自分の好きな勉強をする為、自己の知的探求心に突き動かされ楽しんでサロンを開いている様子は、他人の僕から見てもとても楽しそうでホカホカした気持にさせてくれた。おれも楽しもう。
しかしこんな爺さんになりたいものだ。
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by tokup_nao | 2009-07-17 01:26 | 建築 | Comments(4)
Commented by りんたろう at 2009-07-17 14:15 x
↑ディオの師匠ってことか・・・違うか。うりぃぃぃぃ。

ていうか、誘ってくれよ、それ、おれも。
すごい行きたかった。まさか昨日だったとは・・・あぁ。
ロシアに行く前までにロシアンアバンガードある程度勉強しておきたいよね。
Commented by tokup_nao at 2009-07-17 17:14
ジュンヤはロシア組みんなに学校のメールで誘ったみたいよ!
たぶんりんちゃんはおれもそうだったから迷惑メールのフォルダーに入ってたと思う!入ってない人もいたらしいが!ニアミス。
Commented by ちひろ at 2009-07-18 20:09 x
ロシア行くの!?いいなー

実務やってると現実の壁が立ちはだかってそればかり見るようになっちゃうけど、
探究心とか忘れずにいたいなーって思った。

とくちゃんはお爺ちゃんになっても少年の心忘れなさそう(笑


Commented by tokup_nao at 2009-07-19 01:06
ロシア行ってきます。行くからには勉強しないともったいないなと思って・・・。
今は建築だけじゃなくてロシア全般に興味ありまくってて。
行ったら爺さんにかなりモチベイトされました。

あんな風に生涯思春期でありたいw


tokup.nao@gmail.com


by 徳田直之 (Naoyuki Tokuda)

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