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by 徳田直之 (Naoyuki Tokuda)
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ロシア・アヴァンギャルド

ロシア・アヴァンギャルド_d0086747_17214899.jpg渋谷文化村でやっているロシア・アヴァンギャルド展に行ってきました。
全70作品すべてが日本初公開。

20世紀初頭に起きたマルクス主義的な文学・芸術運動。
結果的にはスターリンを中心とした政治的弾圧によって崩壊してしまったロシア・アヴァンギャルド。

なかなか実際に触れる機会がなかったので行ってみました。






「シャガールからマレーヴィチまで」という副題の通りシャガールに始まりマレーヴィチに終わる展示には、短い間にこんなに変わるものなんだと感じさせる。
まさに動乱の時代とでも言うのか。

マルク・シャガールがロシアの人だったってことを始めて知りつつ、
初期のまだ抽象化されていない『女の肖像画』も結構綺麗だなと思いました。
華やかな印象しかなかったので。

途中に、ニコ・ピロスマニの作品にフォーカスをあてて何点か展示してたんだけど、うん、やっぱフォーヴィズムやらキュビズム、ロシア構成主義とはなんら繋がりがない作品なので、当時の流れでは評価されないだろうなという感じ。当時の批評家が稚拙と言ってしまったのもわかる気がします。
ただ、その頃にロシアが忘れていたものを追い続けていたんだろうね。
だって、ピロスマニだけ明らかに温度が違うもの。でも、今だとこういうのが評価されるのか・・・という気もしました。

最後に展示してあったカジミール・マレーヴィチの奥さんの絵が印象的だった・・・。
たぶん悲しいんだよね。ロシアが間違った方向に進んでるってことを訴える目でしょうか。
哀しい予感の美しさでしょうか。

なんだろう、運動を起こしたり亡命をしたりして命がけで自分を表現していくような力強さがどの絵からも滲み出してて、やはり僕は平和ボケしまくっているなと思う。平和はいいことなんだけどね。
でも、革命がなきゃロシアアヴァンギャルドも無かったし無くならなかったし。
哀しいことと嬉しいことがセットで起きる革命がね。
戦争しろって言ってるわけじゃないですよ。

ただ、この展示を見て今の時代をどう感じればいいのかわからんのです。
by tokup_nao | 2008-07-18 17:34 | 美術 | Trackback | Comments(0)