卒業設計を考える
2008年 05月 15日
雪舟の山水画のようなスケール感で東京に建築物のようなものを建てたいなあと思います。
遠くに空間が確かにあるんだけど、手に届かない。
その空間がうかがい知れないのだけれど心地よいような。
んで今、卒業設計で刑務所を考えています。
そう、あの犯罪者がたくさんいるところです。
社会の最後の受け皿を考えたいなと。
もちろん、ゼミでは先生にも同学年にもたたかれっ放しですが、頑張れるとこまで頑張りたいと思います。
衣袋先生には敷地を決めて来い! っと早々に言われてしまったので
今回、青山霊園を選定しました。
都市の中心に位置し、六本木からもすぐにアクセスできる場所。
お墓に社会の最後の砦を持ってきました・・・。
犯罪と死を終焉のイメージでまとめて考えた訳です。
先生には、もっと皮肉的なところにしたらどうだ!と言われました。
まあ確かに、お墓というのは良くも悪くもマッチし過ぎかなと思います。
チャリで東京中を駆け巡って敷地探すか・・・。
卒業設計で考えたこと。そしていま (建築文化シナジー)
卒業設計コンセプトメイキング
□はじめに
刑務所は社会を映し出す鏡である。ここ数年で刑務所の高齢化は、一般社会を上回るスピードで進行している。お金がなく行き場を失った老人や障害者は犯罪に手を染めてしまい、最後に刑務所に流れ着くことになる。社会不適合者のためのホスピスとも言える。犯罪意識が一般受刑者とは異なる者には、刑務所でありながらそれとは違うものが求められているように思える。そこで私は新に障害者と老人のための刑務所を設計していきたい。今回のレジュメではそれを設計するに至っての以下二つのテーマを考察した。
□時間を奪う空間
そもそも刑務所とは、人が人の自由と権利を制限・剥奪する自由刑(懲役・禁固)という刑罰を執行するために作られた空間である。現在の刑罰では、時間を奪うか、お金を奪うか、勤労奉仕させることで刑を施行している。むろん、昔のような体罰は人権を侵すために禁止されている。しかし、ここでお金が無く勤労を行えない障害者・老人受刑者は時間刑をのみを施行するかたちになる。そこで24時間部屋に閉じ込められるものにとっては部屋の壁の染みをすべて把握できるようにまでその場に依存することになる。ここでは建築の振る舞いが受刑者の生死を司るまでに影響を及ぼすと考えても考えすぎではないように思える。そこで、時間刑のあり方とその空間の振る舞いを考察していきたい。
□社会復帰の芽を摘んでしまうことは避ける
時間刑を施行することに限定された空間でありながら社会復帰への願望を想起させる場所であるべきでならない。
たとえば(二枚目参照)、四季折々の季節感の断片がその空間に反映される場所であるとする。しかしその全貌は伺いしれない。もっと多くの自然を感じたい。外に出てみたい。そう思えたら、時間を無駄にしていることの重みを感じ犯罪の重みを感じないだろうか。それと同時に社会に出てみたいという願望が現れてくる。ここはネガティブに受刑者を閉じ込め続けるのではなく、病んだ心を治療し育て上げ希望と夢を与える場所でなければならない。
□おわりに
刑罰を与えると同時に社会復帰を目指すような場所という矛盾をはらんだ場所である。しかし、どちらも刑務所にとってはなくてはならないものである。これらに新たな解釈を付加しながら社会の最後の砦という建築のあり方を考えていきたい。
参考文献:『刑務所の風景』松井浩一著 日本評論社
遠くに空間が確かにあるんだけど、手に届かない。
その空間がうかがい知れないのだけれど心地よいような。
んで今、卒業設計で刑務所を考えています。
そう、あの犯罪者がたくさんいるところです。
社会の最後の受け皿を考えたいなと。
もちろん、ゼミでは先生にも同学年にもたたかれっ放しですが、頑張れるとこまで頑張りたいと思います。
衣袋先生には敷地を決めて来い! っと早々に言われてしまったので
今回、青山霊園を選定しました。
都市の中心に位置し、六本木からもすぐにアクセスできる場所。
お墓に社会の最後の砦を持ってきました・・・。
犯罪と死を終焉のイメージでまとめて考えた訳です。
先生には、もっと皮肉的なところにしたらどうだ!と言われました。
まあ確かに、お墓というのは良くも悪くもマッチし過ぎかなと思います。
チャリで東京中を駆け巡って敷地探すか・・・。
卒業設計で考えたこと。そしていま (建築文化シナジー)
卒業設計コンセプトメイキング
最後に!
卒業設計のテーマの見つけ方!も見てみて下さい!
□はじめに
刑務所は社会を映し出す鏡である。ここ数年で刑務所の高齢化は、一般社会を上回るスピードで進行している。お金がなく行き場を失った老人や障害者は犯罪に手を染めてしまい、最後に刑務所に流れ着くことになる。社会不適合者のためのホスピスとも言える。犯罪意識が一般受刑者とは異なる者には、刑務所でありながらそれとは違うものが求められているように思える。そこで私は新に障害者と老人のための刑務所を設計していきたい。今回のレジュメではそれを設計するに至っての以下二つのテーマを考察した。
□時間を奪う空間
そもそも刑務所とは、人が人の自由と権利を制限・剥奪する自由刑(懲役・禁固)という刑罰を執行するために作られた空間である。現在の刑罰では、時間を奪うか、お金を奪うか、勤労奉仕させることで刑を施行している。むろん、昔のような体罰は人権を侵すために禁止されている。しかし、ここでお金が無く勤労を行えない障害者・老人受刑者は時間刑をのみを施行するかたちになる。そこで24時間部屋に閉じ込められるものにとっては部屋の壁の染みをすべて把握できるようにまでその場に依存することになる。ここでは建築の振る舞いが受刑者の生死を司るまでに影響を及ぼすと考えても考えすぎではないように思える。そこで、時間刑のあり方とその空間の振る舞いを考察していきたい。
□社会復帰の芽を摘んでしまうことは避ける
時間刑を施行することに限定された空間でありながら社会復帰への願望を想起させる場所であるべきでならない。
たとえば(二枚目参照)、四季折々の季節感の断片がその空間に反映される場所であるとする。しかしその全貌は伺いしれない。もっと多くの自然を感じたい。外に出てみたい。そう思えたら、時間を無駄にしていることの重みを感じ犯罪の重みを感じないだろうか。それと同時に社会に出てみたいという願望が現れてくる。ここはネガティブに受刑者を閉じ込め続けるのではなく、病んだ心を治療し育て上げ希望と夢を与える場所でなければならない。
□おわりに
刑罰を与えると同時に社会復帰を目指すような場所という矛盾をはらんだ場所である。しかし、どちらも刑務所にとってはなくてはならないものである。これらに新たな解釈を付加しながら社会の最後の砦という建築のあり方を考えていきたい。
参考文献:『刑務所の風景』松井浩一著 日本評論社
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佳代
at 2008-05-15 09:53
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青山霊園はいいところです(地元なの)
お墓なのに、私はいつも癒しを求めに行ってました
今でもモヤモヤするとその辺から六本木界隈までフラフラして
ついでに美術館行ったり東京タワー見たりして気持ち切り替えてるよ
余談でした
刑務所!いいね!すごい面白そう!
みんなの設計、たのしみにしてます
お墓なのに、私はいつも癒しを求めに行ってました
今でもモヤモヤするとその辺から六本木界隈までフラフラして
ついでに美術館行ったり東京タワー見たりして気持ち切り替えてるよ
余談でした
刑務所!いいね!すごい面白そう!
みんなの設計、たのしみにしてます
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tokup_nao at 2008-05-15 11:40
お墓は僕も癒される。怖いイメージはまるでなくて。
むしろ近くにあったらいいなと思う。
住宅設計のときに、家からお墓のいい眺めが見渡せます! って言ったらみんなに笑われたけど、自分だけがそれが心地よかったんだとそのとき気づいてw
刑務所は差別意識を逆手に取って設計してやりたい
うまくいくかは全然わからないけどw
とりあえず、壁にぶつかるまで深い霧の中をダッシュしていきたいなと思います
むしろ近くにあったらいいなと思う。
住宅設計のときに、家からお墓のいい眺めが見渡せます! って言ったらみんなに笑われたけど、自分だけがそれが心地よかったんだとそのとき気づいてw
刑務所は差別意識を逆手に取って設計してやりたい
うまくいくかは全然わからないけどw
とりあえず、壁にぶつかるまで深い霧の中をダッシュしていきたいなと思います
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mn150ckr at 2008-05-19 01:49
実家の近くのお墓はモアイ像が乱立している。ストーンヘイジも大仏だってあるんだよ。 休日は家族ずれがキャッチボールやハイキングに来る
ザ北海道なスケールアウトしてるよ
真駒内滝野霊園 ホームページみるといいよ 面白いから
ザ北海道なスケールアウトしてるよ
真駒内滝野霊園 ホームページみるといいよ 面白いから
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tokup_nao at 2008-05-19 06:28
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AYANO
at 2008-05-19 22:54
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tokup_nao at 2008-05-20 09:36
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とおりすがり
at 2008-05-27 18:03
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最近『卒業設計コンセプトメイキング』という本が出ているみたいです。刑務所をテーマにしたものもなかで扱ってるみたいですヨ。
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tokup_nao at 2008-05-28 01:14
by tokup_nao
| 2008-05-15 09:28
| 建築設計
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Comments(8)