Dom Hans van der Laan について
2013年 01月 14日
明けましておめでとうございます。
建築について真面目に、なるべく専門的に、月に最低一回は更新しよう、という感じで2013年も書いていきたいと思います。
本年もよろしくお願いします!!
建築をほんとに根っこから考えたら、ストーンヘッジまで遡るかもしれない。
でも、建築家が実際にものをつくるときに、そこまで戻って考える人はいない。
しからずんば、この建築家はそこまでやっちゃった人です。すごい。
オランダの建築家(修道士)Dom Hans van der Laanの紹介をします。
まずは、10+1に掲載されている今村先生の紹介がとても端的に説明されているので引用します。
以下の本から写真を抜粋して、実際に見て行きましょう。
Dom Hans Van Der Laan: Works and Words
Author: Alberto Ferlenga, Paola Verde, Hans van der Laa
この写真の、人以外全てがデザインされています。完全な世界に身を置き、祈りを捧げる。
"plastic number"というコルビジュエにおけるモデュロールのようなシステム。こいつがこの建物の原子となって構成されて行く。
スタディ模型。全てを規格寸法から導きだす訳でもなく、感覚的なところも大事にしているようだ。
今の建築家とかわらないね。
ストーンヘッジをかきかき。紀元前2500年から紀元前2000年の間に立てられたらしいものの本質を探りデザインに取り入れる。神に触れるような恐ろしい行為にも思える。。。修道士だからいいか。
建物や小什器に使われるテキスタイルも、一つ一つ丁寧にデザインをしている。。。
古代人には古代人のモドゥロールがあったはず。ということで描いたのかな。。
躯体をつくるまでに、想像がつかないくらいに遡っている。
家具はくさび型で全体が統一されて、ちょっと遊んでいるよう。かたい建物の表情にはこれくらいが丁度良いかもしれない。
お祈りに使うお皿ももちろんデザインします。
服もやっちゃう。
ほんとに視界に入るものすべてがデザインされていることがわかる。シンプルな建物だから、作業量が少ない訳ではない。そぎ落としたからこそ粗をみせられないし、目に見えない寸法はどこまでも深く遠いところまで考えられている。それらは写真をみてわかるものではないけど、実際に行くと、心地よい通奏低音に浸っているような、空気の雰囲気が変わるような感じを受けることができると思う。時代に対して強度がある建築ってものはそういうものだろう。とてもじゃないけど、ここまで丁寧に時間を掛けてできない。。。にしても、こういう建築があるんだってだけで、とてつもない勇気をもらうことができる。いつの日か訪れよう。
こちらの公式サイトからそれぞれのプロジェクトの写真がみれます。
http://www.vanderlaanstichting.nl/en/visuals/variousphotographers
Yuichi Hashimuraさんのブログにも奇麗な写真が掲載されています。
St. Benedict's Abbey
建築について真面目に、なるべく専門的に、月に最低一回は更新しよう、という感じで2013年も書いていきたいと思います。
本年もよろしくお願いします!!
建築をほんとに根っこから考えたら、ストーンヘッジまで遡るかもしれない。
でも、建築家が実際にものをつくるときに、そこまで戻って考える人はいない。
しからずんば、この建築家はそこまでやっちゃった人です。すごい。
オランダの建築家(修道士)Dom Hans van der Laanの紹介をします。
まずは、10+1に掲載されている今村先生の紹介がとても端的に説明されているので引用します。
ベネディクト派の修道士ハンス・ファン・デル・ラーンは、1904年オランダのライデンに生まれる。デルフト大学で建築を学ぶが、23歳のときに建築の道に進むのをやめ修道士となり、1991年にヴァールの修道院でなくなるまでの一生を信仰に捧げた。しかし、修道士であるとともにいつしか修道院、教会等の設計、建設にたずさわるようになり、特に彼がその生の大半を過ごしたヴァール修道院の工事は30年の長きに渡った。それは、彼にとって日々の信仰の実践と建物の建設とが一致するものであったからであり、彼の清潔で簡素な建築のスタイルは20世紀のル・トロネといっても許されると思う。このような背景を持つため、彼の名前がいわゆる建築界ではあまり聞こえずにきたのは仕方がなかった。しかし昨今ヨーロッパでは彼の展覧会が開かれ、このように作品集も出されるなど、彼の業績への関心が高まっている。そもそも私が彼の名前を覚えるようになったのは、海外から来た哲学者やアーティストから「ハンス・ファン・デル・ラーンって知ってる?すごくいいよ。」と何度か言われたからであって、決して建築ルートからではない。日本にも一度きちんと紹介されてしかるべき建築家(修道士)とその作品だと思う。
以下の本から写真を抜粋して、実際に見て行きましょう。
Dom Hans Van Der Laan: Works and Words
Author: Alberto Ferlenga, Paola Verde, Hans van der Laa
この写真の、人以外全てがデザインされています。完全な世界に身を置き、祈りを捧げる。
"plastic number"というコルビジュエにおけるモデュロールのようなシステム。こいつがこの建物の原子となって構成されて行く。
スタディ模型。全てを規格寸法から導きだす訳でもなく、感覚的なところも大事にしているようだ。
今の建築家とかわらないね。
ストーンヘッジをかきかき。紀元前2500年から紀元前2000年の間に立てられたらしいものの本質を探りデザインに取り入れる。神に触れるような恐ろしい行為にも思える。。。修道士だからいいか。
建物や小什器に使われるテキスタイルも、一つ一つ丁寧にデザインをしている。。。
古代人には古代人のモドゥロールがあったはず。ということで描いたのかな。。
躯体をつくるまでに、想像がつかないくらいに遡っている。
家具はくさび型で全体が統一されて、ちょっと遊んでいるよう。かたい建物の表情にはこれくらいが丁度良いかもしれない。
お祈りに使うお皿ももちろんデザインします。
服もやっちゃう。
ほんとに視界に入るものすべてがデザインされていることがわかる。シンプルな建物だから、作業量が少ない訳ではない。そぎ落としたからこそ粗をみせられないし、目に見えない寸法はどこまでも深く遠いところまで考えられている。それらは写真をみてわかるものではないけど、実際に行くと、心地よい通奏低音に浸っているような、空気の雰囲気が変わるような感じを受けることができると思う。時代に対して強度がある建築ってものはそういうものだろう。とてもじゃないけど、ここまで丁寧に時間を掛けてできない。。。にしても、こういう建築があるんだってだけで、とてつもない勇気をもらうことができる。いつの日か訪れよう。
こちらの公式サイトからそれぞれのプロジェクトの写真がみれます。
http://www.vanderlaanstichting.nl/en/visuals/variousphotographers
Yuichi Hashimuraさんのブログにも奇麗な写真が掲載されています。
St. Benedict's Abbey
by tokup_nao
| 2013-01-14 19:12
| 建築
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