赤い底

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ふと、地面の切れ目を覗いてみると

赤暗い底に階段がつづいていた


壁に張り付いた数え切れないほどの目

障子に一つ一つ丁寧にくっ付いているかのような目

気にはなるけど


気にしないふりをしながら下っていく


カツーン カツーン


ハイヒールが思った以上に谷間に響き渡る


みんな私を見るがいいわ

風がびゅうびゅうと唸りを声を上げる


カツーン カツーン


風が入ってくるなと言っているかのように

下に行けば行くほどホコリっぽいかと思ったけど、

むしろ逆で、下れば下るほど、無機質な空間に連れてこられたかのようだ


カツーン カツーン


ヒールの音が壁に跳ね返り、また戻って聞こえる

それが重奏を奏でるようで、あの目達はみんなその音に聞き入っているのか


カツーン カツーン


自分ではない誰かが歩いてこちらに向かってくるかのような錯覚

足を止めると、もう一人のヒールの主も少し遅れて足を止めた


まだ底には辿りつきそうにない

少し階段に座って休むことにしよう



見上げると、空は遠く

私もあの目の一部になりそうだ


始まりも終わりもわからない

宙ぶらりんな自分が、少し心地良く感じる
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by tokup_nao | 2009-12-22 02:15 | 建築設計 | Comments(0)


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